開催内容

兵庫頸髄損傷者連絡会主催 市民公開講座 人工呼吸器使用者の自立生活を実現するために ―当事者、支援者、市民がつながって考えよう―

開催趣旨

■日本の人工呼吸器使用者の不安で困難な生活実態。
 事故や病気のために自発呼吸ができなくなり、人工呼吸器を使って在宅生活を送る重度身体障害者がいます(注)。その数は全国で1万400人(2001年)にのぼり、さらに増加傾向にあります。ところが今の日本では、呼吸器をつけての生活は安心して過ごせるものではありません。24時間の見守りと、時間を決めての痰(たん)の吸引など、身体ケアとは別に医療的ケアが必要です。場を数分離れたときに空気を送るホースが外れて亡くなるという事故も起きています。介護の負担はほとんど家族にのしかかり、日夜不安との闘いで疲れ、家庭崩壊に至ったケースもあります。
■呼吸器使用者の自立生活が“常識”の海外に学ぶ。
 ところが世界に目を向ければ、同じような状態の重度障害者が一人で自由に外出し、あたりまえに社会参加を果たしている国があります。そのちがいはどこにあるのでしょうか? 日本でも環境さえ整えば、人工呼吸器使用者が安心して積極的に人生を楽しむことが可能になるのではないでしょうか? 人工呼吸器を使う重度障害者が幸福に生きられる社会は、誰にとっても豊かに生きられる社会のはずです。本講座では、自立生活型呼吸ケアの先進地であるカナダ、アメリカから専門家を招き、国内の当事者とディスカッションしながら、日本で人工呼吸器使用者の自立を実現するための方法を探ります。

(注)人工呼吸器が必要になる疾患は、高位頸髄損傷、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、筋ジストロフィー、ポリオ、脳性マヒ、側わん、脳血栓、肺胞低換気症候群、睡眠時無呼吸症候群などさまざまです。
開催目的
日本の人工呼吸器使用者の生活実態や課題を、当事者の生の発言によって広く知らせる。
呼吸ケアの先進国での実践事例を紹介することで、国内における呼吸器使用者の自立を支えるケアシステムの確立に向けて意識啓発を図る。
この講座を出発点に、障害者が各地に点在する兵庫県において、人工呼吸器使用者が相互に語り合い、支え合えるネットワークをつくる。
開催概要
■日時/ 2007年6月9日(土) ●開場10:00 ●開演10:30-17:00
■会場/ 明石市生涯学習センター 7階学習室(アスピア明石北館)
(明石市東仲ノ町6-1)
■主催/ 兵庫頸髄損傷者連絡会
■助成/ 木口ひょうご地域振興財団
■協賛/ フジ・レスピロニクス(株)/エア・ウォーター(株)/(株)キンキ酸器/(有)サニープレイス/(有)フジドライブ/(株)ウェルネット研究所
■後援/ 兵庫県/明石市/明石市社会福祉協議会/日本リハビリテーション工学協会/兵庫県リハビリテーション協議会/兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所/(社)兵庫県看護協会/兵庫県理学療法士会/兵庫県作業療法士会/全国頸髄損傷者連絡会/ベンチレーター使用者ネットワーク/人工呼吸器をつけた子の親の会「バクバクの会」/日本ALS協会近畿ブロック/(社)日本筋ジストロフィー協会兵庫支部/全国低肺機能者団体協議会/ポリオの会/新聞うずみ火/(株)神戸新聞社/関西テレビ放送(株)/神戸学院大学
■来場対象者/ 一般市民、人工呼吸器をつけて在宅・病院・施設で生活している当事者とその家族、リハビリテーション関係者、医療関係者、研究者、社会福祉関係者、保健衛生関係者、行政関係者、教育関係者、企業関係者、学生等
■参加費用/ 頸髄損傷者連絡会員・障害者:無料
一般:1,000円(資料代)
■来場者数/ 約120名(見込み)
案内図 ※最寄り駅の「明石駅」のエレベーターは、大型のストレッチャーでは乗れない可能性があります。階段での昇降をお手伝いしますので、事前にご相談ください。
プログラム
10:30-10:35 開会あいさつ 三戸呂克美(兵庫頸髄損傷者連絡会会長)

■第1部(10:30-12:30)
知ってほしい私たちの暮らしと願い
-人工呼吸器使用者からのメッセージ-

10:35-11:25 基調講演「呼吸器をつけて自分らしく生きる」
池田英樹さん(兵庫頸髄損傷者連絡会)
11:25-11:30 休憩
11:30-12:30
パネルディスカッション「呼吸器使用者の自立への課題」
 
 
 
 
 

パネラー/ 池田英樹さん(兵庫頸髄損傷者連絡会)
  迫 里深さん(カーブス平佐・オーナー)
  米田進一さん(兵庫頸髄損傷者連絡会)
  A.T.さん(大阪頸髄損傷者連絡会)(※本人希望によりイニシャル表記)
  藤原勝也さん(メインストリーム協会)
  折田 涼さん(医療的ケア連絡協議会)
  折田みどりさん(バクバクの会)

コーディネーター/坂上正司(兵庫頸髄損傷者連絡会)


12:30-13:30 昼食休憩

■第2部(13:30-17:00)
呼吸器使用者の自立を支えるには
-呼吸ケアの先進国からの提言-

13:30-14:50 講演「すべてのカナダ人に人工呼吸器福祉プログラムをおこなう人工呼吸器使用者と医師」
アイリーン・ハンレイさん(カナダ)
14:50-15:00 休憩
15:00-16:20 講演「神経筋障害の患者における呼吸リハビリテーション」
ジョン・R・バック先生(アメリカ)
16:20-16:55 質疑応答

16:55-17:00 閉会あいさつ 宮野秀樹(兵庫頸髄損傷者連絡会事務局長)

■交流会(希望者のみ)

18:00-20:30 ※場所:明石市生涯学習センター8階学習室3 ※会費:300円