神戸新聞より
「人工呼吸器をつけた子の親の会(バクバクの会)」(大阪府箕面市)は、地震や火災などの災害時、人工呼吸器を使用する患者と家族がどう対応すべきかをまとめた「防災ハンドブック」を作成した。阪神・淡路大震災を教訓に、バッテリーの備蓄や避難経路の確保を分かりやすく紹介。人工呼吸器使用者用の防災冊子は全国でも例がないといい、同会は活用を呼び掛けている。
同会は1989年、大阪市東淀川区の病院に入院していた子どもの親が結成。難病などで、呼吸器を手放せない子どもたちの外出や自立に向けて活動している。当初は7家族で始まったが、その後全国組織となり、現在は286家族が所属。兵庫県内は23家族で、多くが在宅で過ごしている。
人工呼吸器使用者にとって最重要課題は電源の確保。災害で停電が起こった場合、呼吸器の内蔵・外部バッテリーなどでつなぎとめる必要がある。阪神・淡路大震災でも停電が起き、会員は手動の呼吸器などでしのいだ。
ハンドブックは、近い将来、発生するとされる東海・東南海・南海地震も視野に、関西の会員が中心となって2年がかりで作成。漫画も交えながら、停電や火災、水害、地震‐と災害に応じた対応を解説している。非常持ち出し品などを記した別冊も作った。
作成に携わった尼崎市の平本美代子さん(60)は、長女が在宅で人工呼吸器を着けて生活しており、「日ごろからハンドブックを活用し、災害に備えたい」と話した。2千円。同会TEL072・724・2007(土日休み)
(2011/08/19 11:55)