様々なバリアを乗り越えて外に出るための工夫
第2回全国頸損連絡会・日本リハ工学協会 合同シンポジウム
実施報告 多数のご参加ありがとうございました
今回で2回目となる合同シンポジウムを、2009年3月7日(土)、ニチイ学館神戸ポートアイランドセンターにて、2団体共催で開催した。「外へ出ようや!~様々なバリアを乗り越えて外に出るための工夫~」のタイトル通り、外へ出てくれた262名の約半数が障害者と介助者であった。午前は隣接する神戸花鳥園と、8社による福祉機器展の見学を行った。このシンポジウムをきっかけに遠方から参加した障害者が多く、本テーマである「外へ出ようや」の目的はこの時点で達成できた。
シンポジウムは、4人の重度障害者のチャレンジの報告とその支援者の報告から始まった。
事故で第1番頚椎を損傷し人工呼吸器を使用する米田進一さんは、一人暮らしや海外旅行という夢の実現に向け、ボランティアの支援による旅行を行った。「旅行中は、自己選択、自己決定の連続。支援を受けながら生活する大変さを知ったが、もっともっと楽しみたい」と早くも海外旅行の計画が進んでいる。その旅行を支えた学生ボランティアのリーダー藤田厳一さんは、ボランティアの募集や介助指導など行った。米田さんの夢を応援したいという藤田さんは「私が自己決定の機会を奪ったこともあった」と支援の難しさを話した。2人の話に「介助者の気持ちを聞いたのは初めて。関わる事の難しさや喜びが伝わった」とのコメントがあった。リハエンジニアとして米田さんの生活を支える中村俊哉さんは、人工呼吸器や車いすをより使いやすいものにするために様々な工夫を行った。その後、桜井龍一郎さん、赤尾広明さんが一人暮らしの実現のため住宅探しやサービス時間の交渉の現状を報告した。最後の挑戦者の須貝みさきさんは、追突事故に遭い頸髄不全となってから小児科医として復職するまでの挫折と葛藤を話した。カンボジアで小児医療に関わりたいという夢をあきらめきれず、事故後2回カンボジアに訪れた須貝さんは、そこで様々な人に出会い、日本では同じ障害の人たちと出会って、やっと今の自分とケンカしないと思えるようになったと話した。会場からは「支援される側の気持ちがわかる医師って素晴らしい」と復職へのエールがたくさん送られた。
その後のディスカッションでは、便利ではない地域で一人暮らしを実践している宮野秀樹さんのコーディネートで活発な意見が繰り広げられた。
シンポジウム終了後に行われた実行委員会の反省会では、ここで出来たつながりを大切に、まだチャレンジ半ばであるので今後ともチャレンジをし続け、支援続けたいと話し合った。
学生のボランティアグループを作りたいと話した藤田さんは、シンポジウムに関わった学生を中心に新入生も加えたグループを作った。米田さんの支援をより円滑に出来るかを検討しながら活動を進めていくことにしている。
数年後、それぞれのチャレンジのその後を報告できるシンポジウムを開催したいと言う話もあがっている。
当日配布資料
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2009年3月7日
ニチイ学館神戸ポートアイランドセンター
大会議室(3階)
(神戸市中央区港島南町7-1-5)
重度障害者が外へ出るということについて、様々な角度から考えるシンポジウムです。
このシンポジウムまでに頸髄損傷者数名が、「実現したいこと」に取り組みました。それは旅行、一人暮らし、電動車いすを使用することなどなど様々ですが、その取り組みの様子を写真や映像と共に報告します。
そこには制度、環境、サービスなど多くの課題が見えてきました。
それらの課題を参加者の皆さんと解決に向けて議論していきたいです。
プログラム
10:30~12:30 | 神戸花鳥園見学(入園料大人800円*が別途必要です) 神戸花鳥園内にお弁当(1,000円お茶付き)があります 機器展示見学(3Fホワイエ)→下記をごらんください |
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12:30~13:00 | 見学会:ニチイ学館バリアフリールーム(宿泊室)・機器展 | |
13:00~13:20 | あいさつ(三戸呂克美・松尾清美) | |
13:20~14:40 | 僕らの「すっげえことやってみた」プロジェクト報告 ・行ってみたプロジェクト(米田進一) ・関わってみたプロジェクト(藤田厳一) ・家さがしプロジェクト(桜井龍一郎) ・ひとり暮らしプロジェクト(赤尾広明) |
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14:40~15:00 | 私のやってきたプロジェクト報告(須貝みさき) | |
15:00~15:30 | 休憩+機器展示見学 | |
15:30~17:00 | みんなでディスカッション コーディネータ:宮野秀樹 | |
17:00~17:30 | 機器展示見学・移動 | |
17:30~19:30 | 懇親会(神戸花鳥園)参加費3,000円 |
主催: | 全国頸髄損傷者連絡会・日本リハビリテーション工学協会 |
後援: | 兵庫県、神戸市、神戸学院大学、神戸芸術工科大学、日本障害者協議会、兵庫県立総合リハビリテーションセンター、兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所、兵庫県リハビリテーション協議会、社団法人日本社会福祉士会、兵庫社会福祉士会、社団法人兵庫県看護協会、社団法人日本理学療法士協会、兵庫県理学療法士会、日本義肢装具学会、社団法人日本作業療法士協会、兵庫県作業療法士会、神戸新聞社(順不同) |
協賛: | 財団法人木口ひょうご地域福祉財団、特定非営利活動法人塩井障害者自立支援基金 |
協力: | 株式会社ニチイ学館、神戸花鳥園 |
参加費 一般1,000円 障害者・学生500円
* | 神戸花鳥園の見学には別途入園料が必要です。特別割引料金で入園いただけます。 |
大人(中学生以上) | 1,500円 | → | 800円 | |
子供(小学生) | 800円 | → | 400円 | |
障害者・65歳以上 | 1,000円 | → | 500円 | |
障害児(小学生) | 500円 | → | 300円 | |
同伴する介助者 | 500円 |
アクセス
電車
三宮からポートライナー神戸空港行乗車、ポートアイランド南下車すぐ
三宮から約15分
自動車
阪神高速神戸線 京橋または生田川ICから神戸空港方面へ
駐車場有
併催
福祉機器展
電動車いす・環境制御装置・意思伝達装置・ページめくり機・人工呼吸器・移動用リフト・スリングシート・ハンズフリースピーカー・昇降機・自動ドア、他予定
出展社:50音
株式会社アクセスインターナショナル、株式会社今仙技術研究所、株式会社キンキ酸機、株式会社正栄技研、ダブル技研株式会社、有限会社南豆無線電機、パシフィックサプライ株式会社、株式会社ウェル・ネット研究所(明電興産株式会社)
2009年3月7日
10:00~17:30
ニチイ学館神戸ポートアイランドセンター3階ホワイエ(神戸市中央区港島南町7-1-5)
PDFファイル
ちらし表 ちらし裏 ポスター
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