① 世界文化遺産・国宝 姫路城-電動車椅子で楽しむためのバリアフリーガイドマップ

 姫路を代表する「世界の宝」をなぜか鳥取県出身のI・Yが紹介します! 

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JR姫路駅から見える姫路城

 姫路に来たら姫路城にいかないともったいない!ということで私・I・Yが姫路城の魅力をたっぷりと紹介したいと思います。
 天を舞う白鷺のように見える姫路城は別名白鷺城(はくろじょう・しらさぎじょう)ともいわれ、 建築技術の粋を極めた傑作として、平成5年12月『法隆寺』とともに日本で初の世界文化遺産に指定されました。また、主郭部を含む中堀の内側は『姫路城跡』として国の特別史跡に指定されています。また、ユネスコの世界遺産リストにも登録され日本100名城などにも選定されています。
 姫路城まで、バスで行く場合は「姫路駅北口」から神姫バスに乗車し「大手門前」で下車します。そこから徒歩約5分で『姫路城登閣口』に到着します。
 徒歩で行く場合は、JR姫路駅、山陽姫路駅から約20分で到着します。JR姫路駅を出て北口に歩いて行くと、天候が良ければ真正面に姫路城がドドーンと見えます。姫路城に行くまでに美味しそうな飲食店がたくさんあるので、お店に寄ってお腹を満たして行くもよし、買って食べ歩きしながら行くもよし(ゴミのポイ捨てはしないでください)といった感じでしょうか。姫路城に着くまでのちょっとした楽しみを感じながら行ってほしいです。だんだんと近づいてくるウキウキ感と、姫路城の圧倒的な大きさに驚くと思います。

 姫路城に入るには『桜門橋』と『大手門』を通過する必要があり、これらの造りはとてもきれいです。

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桜門橋
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大手門

 そしていざ姫路城へ!
 大手門を通ると券売所があり、ここで入場券を買います。障害者手帳を持っていれば、障害者割引で本人と介助者3名は無料で入れます。健常者で大人(18歳以上)は1000円、小人(小・中・高校生)は300円です。また、姫路城シルバー観光ガイドを頼めば、城内を案内し、姫路城の歴史や謎などを説明してくれます。観光ガイドは、入城口横の姫路城見学資料室の受付で申し込みでき(予約も可能です)、料金はガイド1人につき2,000円が必要です。

 公式ホームページには、姫路城は坂と階段が多く、特に『天守』や『櫓(やぐら)』には、エレベーターが無く、手すりがあるものの非常に急で狭い階段になっているため、姫路城内を車椅子利用者の単独での見学は出来ないと書いてあります。介助者が1人では危険で、門の手前の坂や門を越える時に介助が必要になると注意書きされています。熟練した介助者が2〜3人で介助する場合は、入城口から天守群付近まで見学できますと記載されてもいます。私は信頼のおける介助者1人と行ったのですが、本当に危険だと感じました。ほとんどの道がガタガタで、勾配の急な坂道も多く、車椅子を支えてもらわないと怖いです。坂道には2~3cmの段差が何ヶ所もあるため、女性介助者の場合は2~3人で行かれることを強くお勧めします。

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券売所
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急勾配の坂道

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『西の丸』から見える庭

 姫路城を攻略するためのお勧めの行き方は、まず、入場口から入ってすぐ坂があるのでそこを上っていき、『西の丸』に向かいます。残念ながら『長局(ながつぼね:別名百間廊下)』と『千姫化粧櫓(けしょうやぐら)』は車椅子では入れないのですが、手入れされた庭がとてもきれいでのんびりと過ごせますので、一見の価値はあると思います。

 続いて『菱(ひし)の門』を通り、そのまま道なりに行くと二の丸にある『お菊井戸』が見えます。この井戸は播州皿屋敷で知られるお菊さんにゆかりの井戸ということで、怪談話が残されています。興味のある方は調べてみてください。またこの『お菊井戸』に賽銭を投げ込まれる方が多いのですが、投げ込んでも何の意味もありません。そして、備前門を通り、『本丸(備前丸)』に到着します。本丸から大天守を見上げると、空に向かってそびえる巨大な大天守が眼前に迫ります。大天守にさらに寄って、見上げてみるとまた違った雰囲気が味わえます。見上げたアングルから見える幾重に重なった屋根の美しさは必見です。

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お菊井戸
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本丸から見る天守閣

 天守閣は車椅子で入ることが出来る設備が整っていないため、残念ですがこの本丸広場が車椅子で行ける最終地点となります。そしてもうひとつ残念なことに、本丸には高い外壁があり、車椅子目線では姫路の眺望は確認できません。
 今回の姫路城見学で感じたことは、ガタガタ道や急な坂が多いので車椅子で行くには体力に自信のある介助者がいたほうが安心だということです。坂は車椅子が転倒してしまう恐れがあるため、本当に気をつけてほしいです。ただ、国宝であり世界文化遺産であるため、現状維持の改修と耐震化改修しかできず、エレベーターはありませんが、やはり国宝であり世界文化遺産に登録されているだけあって素晴らしい建築物です。それは言うまでもなく、行く価値は十分すぎるほどあります。是非、一度は訪れてみてください。


○トイレ情報

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姫路城内に車椅子が使えるトイレは3ヶ所あります。

・西の丸内

・菱の門横

・本丸(備前門丸)内

入り口も中も広く電動車椅子でも楽々使えます ⇒

○ミニ情報

「黒田官兵衛ゆかりの石垣(姫路城上山里下段)」

himejijo a 券売所前右手に「官兵衛ゆかりの石垣」という看板があるんだよねぇ。石庭の前を抜けて、サポートが必要な急勾配の坂道を上がると、舗装されていない平地の向こうにドーンと「なんじゃこりゃ?」っていう何の変哲もない石垣が見えてくるわけぇ。説明書きを簡単に説明すると、池田輝政ちゃんが改修する前に羽柴(豊臣)秀吉くんが築城しているらしく、秀吉くんがめちゃ信頼してる官兵衛ちゃんに姫路城の普請(ふしん:直したりすることだよ)を命令しちゃってるわけぇ。だから~おそらく残っている秀吉くんの時代の石垣は、少なくとも官兵衛ちゃんゆかりの石垣ってことになるってことらしいんだよね~。
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「十字紋の瓦」

himejijo d 姫路城の「にノ門櫓(やぐら)」にある十字架のような模様が入った鬼瓦があるんだよねぇ。写真では全く見えねぇんだけど、あるんだよねぇ。実は、姫路城は官兵衛ちゃんが城主だった時代があるんだけどぉ、キリシタンだった時代もあるんだよ。だから~この十字紋の瓦は、官兵衛ちゃんゆかりの瓦じゃないか?っつー噂が起こっちゃったわけなんだよねぇ。確かに官兵衛ちゃんはキリスト教に入信してたんだけど、キリスト教に入信した時はすでに姫路城を離れてたんだよねぇ。だから~話としては面白いんだけど官兵衛ちゃんとこの十字紋の鬼瓦を結びつけるには、ちょっと無理があるんだよねぇ。でもちょっとワクワクすると思うから、一度見つけてみてちょ~。

○姫路城にまつわる逸話

「宮本武蔵の妖怪退治」

「武蔵伝説」のひとつです。木下家定が城主時代に、武蔵は偽名を使って足軽奉公していたという話が残っています。姫路城の見回りの仕事をしていたときに、天守に夜になると妖怪が出るという噂のために誰も夜勤をしたがらなくなった中で、武蔵だけが平然と夜の城見回りの仕事をしていたので、それが上司の耳に入り、名のある武芸者であることを知られてしまい妖怪退治を命じられたそうです。
~~武蔵が天守に登り、三階の階段に差し掛かると、突然猛烈な炎が吹き降りて、ガラガラと地震のような音がした。「さては妖怪め」と太刀を構えて伺ったが、もとの静けさに戻って何の異変もない。四階へ登りかけると、再び火炎と物音に包まれたが、武蔵は構わず天守最上階で朝までひと眠りした。このとき、十二単の美しい姫が現れ、「われは当城の守護神、刑部明神であるぞ。その方、今宵参りしため、妖怪は恐れをなして退散したり。褒美にこの宝剣をとらす」と言って姿を消した。この宝物は城内に収められていたもので、武蔵に盗みの嫌疑がかかり、調べがつくまで家老の雨森縫之助に身分があずけられたという~~
時代的に考えてみても矛盾だらけでトンデモなお話であり文献にも残っていません。単なる伝承であることは言うまでもありませんが、剣豪・宮本武蔵ならではのエピソードといえるかもしれませんね。

「姫路城が売られちゃった?」

実は姫路城が売られたことがあるというお話。明治維新により、廃藩置県が全国で施行されたときに起きた実際のお話です。新しい時代には古き時代の象徴は負の遺産もしくは無用の長物ということで、お城は廃棄の対象となっていました。とにかく維持するのに莫大なお金がかかるため、日本国の貴重な予算をそんなものに使えるか!という考えが主流になっていました。当然、姫路城もその流れに飲み込まれ、廃城にする方向に話が進められていきました。まず廃棄するために城そのものを売り飛ばす必要があり、そのために競売にかけられたのです。当時の値段で『23円50銭』で落札されたそうですが、それを現代の紙幣価値に換算するとおよそ『100万円』になるらしいです。100万円で国宝が売り払われたかと考えるとトンデモなことです。実に恐ろしく安い値段で売り払われようとした姫路城ですが、実際には購入費よりも廃棄のための解体費に莫大な資金が必要になることが判明し、購入者は権利を手放しそのまま放置されることになったそうです。難を逃れた形にはなりましたが、もしかすると不思議な力が動いたのかもしれませんね。現に、建築から400年もの間に一度も戦火に巻き込まれることがなかったのですから奇跡というしかありません。やはり『不戦・不焼の城』の名にふさわしいですね。


参考
姫路城バリアフリー – YouTube

姫路市|姫路城公式ホームページ(姫路城大図鑑)
世界文化遺産 国宝姫路城 大入実況


平成29年3月末(予定)まで、動物園北側に位置する、姫路城三の丸広場と美術館を結ぶ通路が工事のため通行できません。ご不便をお掛けしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
・動物園の北出入口は今まで通り開門しています。
工事作業などで一時的に閉門することもありますが、現時点でその予定はありません。
また、閉門する場合はホームページ上でお知らせする予定です。

・動物園の北出入口と美術館の行き来も可能です。

・動物園北側に位置する姫山駐車場と城の北駐車場の利用者は、駐車券を提示すると、
姫路城と駐車場への行き来のために、動物園を無料で通り抜けできます(9時~16時30分)。

・動物園は障碍者手帳を提示すると本人+介助者1名は入園料が無料となりますので、
無料で通り抜けできます。
姫路城三の丸広場と美術館方面を結ぶ通路が全面通行止めとなります | 城周辺駐車場,機構全体のお知らせ | 一般財団法人 姫路市まちづくり振興機構


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