頸損だより2005夏(No.94)
兵庫頸損連絡会だより
~全国頸損連絡会総会・兵庫大会終わる~
大会終了の報告
代表 三戸呂克美
去る、5月7日、8日の二日間にわたり開催された全国頸損連絡会・兵庫大会を多くの方々のご支援、ご協力のお陰で成功裡に終えることが出来ました。当事者72名、介助者、ボランティアを含めると二日間で延べ約250名の参加がありました。
兵庫頸損連絡会が発足して2年が過ぎまだ組織も完全なものでない状態で主催者としての大役は不安との戦いでもありました。実行委員会重ねること10回。初日の大会をどうするか、二日目の総会をどうするか、何も決まっていない状態での船出は無謀ともいえるものでした。
今から遡ること二年、名古屋で行われた定例の全国代表者会議の席で、次回の大会を兵庫でやれないかという意見が出ました。発足してからの活動は年一度の勉強会が出来るぐらいの力があるだけで、大阪支部の協力がないと独自では出来ない状況でした。やるとしても兵庫県は広大な土地で北は日本海から南は瀬戸内海、淡路島も含めると多くの人が参加できる場所があるだろうか、アクセスの良い場所といえば鉄道沿線に絞られるが、と思いは不安の方に傾くばかりでした。
しかし、大きなイベントをやることで在宅生活をおくっている頸損仲間を集めることができるならばとの気持ちに駆られ、やりましょうということになりました。会場の確保には多くの時間をかけました。しかし、何と言っても最初に求められるものとして財源でした。参加費だけでまかなうことには実行委員全員の反対があり財源確保は必至の条件になりました。反対理由として、参加費のみでまかなうには参加費を高く設定することになり、介助者と一緒となれば遠方からの参加が減る、もしくは来れないというのが一致した理由でした。幸い助成金については木口ひょうご振興財団からの助成を受けることができ、会場も鉄道沿線のホテル舞子ビラ神戸に決まり準備を進めました。
大会は、二部構成になっており初日は主催者が主体となったイベントであり、二日目は全国頸損連絡会の総会になっています。イベントの内容は主催者側にまかされていて、今回は「在宅重度障害者と当事者組織のあり方を検証する」といったテーマで行うことになりました。
講師には、頸損の大先輩でもありAJU常務理事の山田さんにお願いすることになり、講演終了後は仙台まで飛ぶといった忙しい中でも快く引き受けていただき、参加された方の感想は誰もがよかった良い話が聞けたといった言葉に我々主催者としてこの大会をやってよかったと思うばかりです。講演に続いて行われたシンポジウムには、各地域で活躍されている頸損連絡会の会員にシンポジストをお願いしました。静岡の井出さん、福岡の清家さん、兵庫の宮野さん、そして講師の山田さんにも再度登場してもらうという内容の濃いものになりました。
今回の大会の目玉はまだあります。それは、韓国の当事者を招待しての交流です。頸損者の生活は国が違っても大きく変わる事はありません。自立への過程での障害受容などは興味ある内容でした。
二日目の総会では、全国頸損連絡会顧問でDPI日本会議議長の三沢さんから、今、全国の重度障害者の生活がかかっている障害者自立支援法(案)についての運動の経過説明があり、会場からも時間を最大限に使用しての質問に関心の高さをみる事が出来ました。
また、特別発表では、大阪支部の赤尾さんのジョクソウとの戦いに勝利した報告があり、ジョクソウに悩まされている人にとっては光明を見出す報告であっただろうと思います。
今回の大会では我々頸損という障害を持つ重度の障害者が今本当に必要なことは何かを見直すことが出来たのではないだろうか。当事者組織が機能する原点、それはやはりセルフヘルプであろう。大会をきっかけに一人でも多くの方が自分の存在に気づかれたことを願い今後の歩む道を見つけていただけたなら主催者としてこの上ない喜びであります。
最後になりましたが、参加された皆さん、ご支援、ご協力いただいた皆さんのご健康とご活躍をお祈りして大会終了の報告とさせていただきます。