特集 口腔ケア 呼吸器使用者の治療法について 「縦横夢人」2019年夏号(No.25)

「縦横夢人」2019年夏号(No.25)
特集 口腔ケア

呼吸器使用者の治療法について

PDF 呼吸器使用者の治療法について

兵庫支部 米田 進一

 生きる為に必要な歯は、とても重要な役割があります。自分の歯が一本でも多くあると嬉しいものですね。虫歯になれば、歯医者に行き治療をしますが、とても時間がかかります。頸損になって現在の歯医者へ、かれこれ十年以上通っています。定期受診が三ヶ月に一度あり、明石市の福祉センター内に歯医者が入っているので、車椅子でも問題なく利用出来ます。以下に、私の治療事例として紹介します。
 私は診察台には移乗せず、車椅子上で治療を受けています。そして呼吸器を使用している為、治療する時に、マウスピースでは口を開けっぱなしにすると呼吸が出来ない為、鼻マスクに付け替えて治療しています。
 
 補助酸素チューブを鼻から挿入する方法もあるのですが、私の場合、自発呼吸が出来ない事から、送られてくる空気が漏れてしまう為、鼻マスクを装着する方法を選択しています。他の呼吸器使用者は治療する時「どの様に治療されているのかな?」と思う事はあります。私と同じ様なケースは稀なのかもしれないですね。
 車椅子上ではリクライニングで背もたれを倒し、先生のやりやすい位置まで調整する必要があり、結構準備に時間もかかります。鼻マスクを付けても部分的に酸素が漏れるので、助手の人が鼻マスクを手で押さえ三人がかりで治療しています。 虫歯によっては削る箇所も多く、時間もかかるので口を開口器で固定してもらっています。長時間になると顎が痛くなるのがとても辛いですが…。
 昨年末の大晦日に歯に激痛が走り、歯医者へ急行しましたが沢山の患者が居て、二時間も待ちました。普段は痛みがないと受診に行かないのですが、早めに対処しておくべきだと痛感しました。
 現在、二十代に治療した箇所を治療中です。
「歯を大切に」と親によく言われていましたが、今は差し歯もなく全て自分の歯です。“歯と一生の付き合い”となる事を心掛け、これからも定期受診を続けていきたいと思います。


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