特集 新型コロナの前と後 新型コロナウイルスによる生活の変化 「縦横夢人」2021年冬号(No.31)

「縦横夢人」2021年冬号(No.31)2021年2月15日発行)

特集
新型コロナの前と後
-新型コロナウイルスが頸損者の生活に与えた影響とは-


新型コロナウイルスによる生活の変化

PDF 新型コロナウイルスによる生活の変化

愛媛頸髄損傷者連絡会 宇高 竜二

 2020年は、新型コロナウイルスによって私たちの生活が大きく変わりました。国内感染がニュースでも報じられるようになり、徐々に私たちの”普通の”生活が大きく変化し始めたのです。それに伴い自分が普段あたり前にできていた外出にも躊躇する動きが出始めました。それを解決すべく対策として、具体的にマスク着用が当たり前になり頻繁な手洗い・手指消毒・うがいが日常化しました。社会は人との距離を取らなくてはいけない社会にもなっていますが、介助を必要としている自分たちには、距離を取ることは難しいです。そこで、4月7日にCIL星空でも新型コロナ対策室を立ち上げ、仲間の感染を防ぐために主要メンバーを中心にまずは感染しない、させないを徹底して予防対策案を出し合い、意識を高く持つ取り組みを始めました。他にもZoomを使って、星空全体で勉強会を実施し感染予防対策の共通認識を持ちあったり、JILの新型コロナウイルス対策本部のホームページでも感染予防対策の情報を確認したり、デマや誤った情報からの錯乱予防や、前もって最悪を想定して疎開先の検討を行いました。
 予想していた通り、四国圏内でも感染者が増え始め身近の病院や施設等でクラスターが起きる状態までになったため、CIL星空内でも4月28日~5月10日まで緊急事態宣言を出し、行動制限をするまでに至りました。それに伴い自宅での生活時間が増えストレスはMAXに!!我々、1日2交代の介助体制の感染リスクを最小限にするための固定のヘルパーでの介助への工夫もしました。
 その成果が実り、感染することなく元気に過ごせています。四国圏内や時には本州への外出をしたり、GoToキャンペーンなど今しかないサービスも行われていることから自己管理のもと気分転換ができる状況にまで進歩しました。ただ、重度障害で呼吸系が弱いので一般の基準と同じにはいきませんが、ある程度情勢に合わせて自分たちの生活の形を作っていく必要があります。今後も、マスク着用、介助を受ける前後に手指消毒の協力をしてもらう、適度な換気、これらは必ず続け、人と会うときや出掛けるときは、ウイルスを予測して3密を避けるのはもちろん、自分も人も感染させないように、正しい知識で行動するようにしています。平常時から、お互いを守り、お互いの家族や周りの人を守る気持ちは、決して忘れることなく行動していこうと思います。
 2021年が年明けし、まだまだ収束の目処が立ちませんが一日も早い収束を願い日常に戻ることを楽しみに一日一日を謳歌したいと思います。


山の上から脱コロナを願って!

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