「縦横夢人」2021年春号(No.32)2021年5月10日発行
特集
ベテラン(慢性期)頸損者の健康
-受傷年数の経過で起きた変化やその対処法-
-受傷年数の経過で起きた変化やその対処法-
維持期の維持は大変
木戸 功
私は2006年1月の48歳のときに受傷して、今年で15年になります。一人暮らしを始めてから12年になるC5の不完全損傷です。
一人暮らしを始めた時点で維持期に入っていて、生活に慣れてきた頃から、簡易電動車椅子に乗ってガイドヘルパーを頼まずに一人で、西は姫路から東は枚方まで、バスと電車で気楽に元気に出かけていました。リハビリは整形外科の外来リハビリを利用していました。
それが大きく変わって、一人で出かけることが厳しくなる体調の変化がありました。それは市内のワンデイウォーキングという、一日中市内を散策する催しに参加したことがきっかけでした。路面の舗装が良くなくて、ずっと振動を受け続けたために両脚にリンパ浮腫を起こしてしまったのです。浮腫のために体幹保持が困難になってしまいました。ある程度は回復しましたが、全快にはなりませんでした。中年になってから体調を崩すと、完全には元に戻らなくなるようです。
中年から老年になってきました。ここでまたやってしまいました。仙骨部辺りに褥瘡ができてしまったのに専門医を受診せずに悪化させこじらせてしまい、2019年に丸1年も入院してしまいました。無理をすると元には戻らなくなってきました。
他には血圧はこれまで年齢のわりには低くて、高い時でも正常の範囲でした。たまに膀胱瘻のカテーテルに折れ目ができて尿が止まって過反射になって血圧が上がることがあります。以前は尿が流れると血圧が元に戻り、問題は起こりませんでしたが、最近では元に戻り難くなって、またちょっとした刺激だけで血圧が上がりやすくなってきました。これまで血圧なんて気にしたことがありませんでしたが、気を付けないといけなくなってきました。
夢の無い内容ばかりになってしまいましたが、「己を知れば百戦危うからず」です。出来なくなることを考えるより出来ることを見つけて、まだまだジタバタしていきたいと企んでいます。