「縦横夢人」2021年夏号(No.33)2021年8月16日発行
行事報告2021年度 全国頸髄損傷者連絡会 京都大会
土田 浩敬
1、はじめに
毎年開催される全国頸髄損傷者連絡会「全国大会」がコロナウイルスの影響もあって、オンライン開催となりました。そして全国脊髄損傷者連合会との合同開催ということもあり、異例の年となりました。今回は、オンライン共同開催となった様子を報告します。
2、概要
日時 2021年6月5日(土)、6日(日)開催方法オンライン(YouTube、zoom)
内容 <6月5日>
◯頸損解体新書 報告会 YouTube配信
登壇者鴨治慎吾会長、宮野秀樹事務局長、鈴木太事務局長補佐
◯交流企画「両団体の歴史とこれからの活動と展望」 YouTube配信
登壇者全国脊髄損傷者連合会大濱眞代表、山本英嗣京都府支部長、全国頸髄損傷者連絡会鴨治慎吾会長、村田恵子京都支部長
◯基調講演「再生医療から見えるそれぞれの生き方の未来」 YouTube配信
講師 慶應義塾大学附属病院 中村雅也教授
<6月6日>
◯全国頸髄損傷者連絡会総会 zoom
3、異例の全国大会
今年の全国大会はオンライン開催ということと、全国脊髄損傷者連合会との合同開催ということで楽しみでもあり、どのようになるのか全く想像がつきませんでした。
まずは、頸損解体新書の完成報告会です。頸損解体新書は2010年に発刊されてから10年が経ちました。今回はアップデート版として、現代の頸髄損傷者の身辺の状況や体調管理など、様々な目線から捉えて多くの方が関わり、発刊となりました。完成報告会としては、中心となって作成されたメンバーからの言葉と、それぞれ担当部門からの報告でした。2021年10月24日(日)に頸損解体新書2020最終報告会が開催されます。皆さまも是非ご参加ください。
交流企画「両団体の歴史とこれからの活動と展望」では、全国頸髄損傷者連絡会と全国脊髄損傷者連合会の両団体代表と開催地である両団体の支部の代表が登壇して、活動内容やこれからの展望を述べられました。印象的だったのは、脊髄損傷者連合会京都支部長の山本英嗣氏が仰った「両団体お互いが連携し合いながら、これから発展していければいいですね」という言葉でした。脊髄損傷者と頸髄損傷者、両者がフォローしながら問題に立ち向かえれば、とても心強いと感じました。
基調講演は「再生医療から見えるそれぞれの生き方の未来」講師は慶應義塾大学附属病院中村雅也教授によるものでした。中村雅也教授は、日本における再生医療の第一人者として、iPS細胞移植やHALサイボーグスーツを用いてのリハビリテーションなど、最先端医療についてお話しをされました。再生医療については、以前から言われている受傷後72時間以内に対処する必要があるとされていました。しかし2023年、慢性期の脊髄損傷者に対して、iPS細胞移植の治験が開始出来るように研究を進めていると報告されました。
全国総会はzoomを利用して翌日、6月6日(日)に行われました。
4、まとめ
毎年当たり前のように開催されていた、全国大会もコロナウイルスの影響でオンライン開催となりました。いつもの様に観光して、久しぶりにお会いする方たちと近況報告をするといった、ごく当たり前の日常はありませんでした。しかし、オンライン開催、全国脊髄損傷者連合会との合同開催と新しいことにチャレンジする大会だったのではと感じました。方法を変えながらも、前進し続けるのだという強いメッセージを感じた大会だったと思います。