「縦横夢人」2021年秋号(No.34)2021年12月6日発行
行事報告
睡眠学習会
伊藤 靖幸
皆さん、睡眠は十分に取れていますか?考え事や寝具が合わない等で寝られない事もあるのではないでしょうか?今回「より良い睡眠とは」「良い睡眠と体調管理」を学ぶために講師をお招きして「睡眠学習会」を行いましたので報告します。
学習会は2021年9月18日、13:30~15:30にオンラインで行いました。講師は、兵庫県立リハビリテーション中央病院、3階新病棟(小児睡眠障害・小児整形・肢体不自由児)の看護師長、笹本京子さんです。まず、三戸呂会長より開会挨拶があり、笹本さんの講義が始まりました。講義内容は、睡眠のメカニズムや睡眠と脳の関係、良質な睡眠をとるために行うと良いことなど勉強になることばかりでした。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があります。レム睡眠は、からだを休める役割を果たしていると考えられているため、『からだの眠り』ともいわれています。夢を見るのはこの時で、夢が記憶に残るのはレム睡眠時に脳が活動しているからだと考えられているそうです。一方、ノンレム睡眠は、脳を休める役割を担っているところから、『脳の眠り』ともいわれています。深いノンレム睡眠でないと脳は休まらないそうです。また、記憶することと睡眠が結びついているそうです。睡眠不足により免疫力が弱まっているとコロナウイルスにかかりやすくなると聞いて、睡眠の大事さを改めて感じました。睡眠は、ただたくさんの時間をとればよいというわけではなく、質の良い睡眠をとることが大事だとのことです。
笹本さんの講義の中で、「睡眠負債」という言葉を初めて聞きました。睡眠負債とは、慢性的な睡眠不足の状態が続き、その負債が蓄積されて心身へ支障をきたしている状態のことです。睡眠負債が蓄積されると、うつ病や認知症になる可能性が高まるそうです。
笹本さんの講義が終わった後、伊藤と米田進一さんとで「自分の睡眠について」の報告を行いました。それぞれの睡眠方法を発表して、その方法について笹本さんからご意見をもらうという内容で、良い睡眠をとるために行っている事が本当に効果のあることなのか気になっていたので良い機会でした。報告した中で、耳栓と明け方にアイマスクをすることを褒められました。仰臥位(上向き)で寝ると睡眠時無呼吸症候群になりやすいのか質問しましたが、首だけ左右どちらかに倒すことで気道が少し開けば、睡眠時無呼吸症候群のリスクが減ると教えてもらいました。米田さんの報告を聞いて、睡眠のために色々と努力されていることに感心したのと同時に、睡眠に対して苦労しているのは、自分だけではないのだと感じました。この後、質疑応答が行われたのですが、睡眠で悩まれている方が多く、たくさんの質問がありました。適度な運動が睡眠に良いといわれても運動が出来ない頸損者の場合は、どうしたらいいかという質問に対して、頭を使うことも運動になるという回答は目から鱗でした。
睡眠学習会を行って、頸損者にとって切実な問題である「睡眠について」学ぶことが出来ました。一生の約1/3が「睡眠時間」です。睡眠を侮ることは出来ません。今夜も寝ることに全集中しようと思います。