神戸新聞|東・北播磨|事故で全身まひの男性 絶望超え新たな一歩 高砂
神戸新聞よりの転載です。
事故で全身まひの男性 絶望超え新たな一歩 高砂
すべての人が笑顔で暮らせるまちづくりを‐。交通事故で首から下の自由を失った島本卓さん(26)=高砂市中筋=が、スポーツを通じて、障害者の社会参加や健常者との相互理解を図る団体「ユニバーサルTAKASAGO」を立ち上げた。どん底からはい上がり、第二の人生に情熱を傾ける。(大城周子)
パチンコ店の従業員だった2006年12月。友人の運転する車がカーブを曲がりきれず電柱に激突し、助手席の島本さんは頸椎を損傷。首から下の自由を失った。
1日24時間、介助が必要な生活。外出すると周りの視線が気になった。「このままじゃ人を寄せ付けなくなる」。好きなスポーツに関わることで変わろうと決心した。
昨年の冬、神戸製鋼ラグビー部にメールを送り、練習や試合を見学した。以来、積極的に出かけるようになり、福祉施設関係者や障害がある運動選手らに交友を広げて、団体の設立準備を進めた。「普遍的な」「すべての人々の」との意味がある「ユニバーサル」の名前に、地元高砂をもっと障害者に暮らしやすい街にしたい、との思いを込めた。
口にくわえた割りばしで、パソコンや携帯電話を駆使し、施設や企業との関係づくりに励む。25日には、加古川養護学校の生徒数人を、ラグビートップリーグの神鋼‐東芝戦(神戸・ホームズスタジアム)に招待する。障害者と健常者が一緒に楽しめる柔道イベントも計画中だ。
「事故に遭い、できないことばかりだと思ったのが、今はできることはたくさんあると思える」
教育現場への助言、障害者の雇用促進、障害者の職場への適応を支援するジョブコーチの周知など構想は膨らむ。「当事者が発信することで、健常者と障害者の距離を縮めたい。目標ある限り、ゴールはありません」
島本さんは活動をブログで紹介している。http://a‐b123.way‐nifty.com/blog/
(2011/12/20 09:15)