頸損だより2008春(No.105) 2008年3月22日発送
兵庫頸損連絡会だより
~誰もがおかしいと思う?自立支援法~
今、障害者の在宅生活が脅かされている。介護職の中核をなすヘルパーがいないのである。このまま在宅生活が続けられるのだろうかと不安に思っている人もいるだろう。私もその一人だ。最大の要因はヘルパーの単価が低いからと推定される。その証としてヘルパーの募集をしても応募がない。しかし、単価が最大の問題とは考えられない面もあるのではないだろうか。私は外出の移動に電車を利用する。車内には広告が吊られている。移動に利用した電車で、ある週刊誌の吊り広告に「老人福祉や介護はヤクザが狙っている」というタイトルの見出しが目に付いた。おまけに「福祉はもうかる」とのサブタイトル。うぁ~!これ何~!と開いた口がふさがらない。とうとうここまで来たかと思ったが、しかし、これはヤクザが搾取するという話でありヘルパーの応募がないのとは次元が違う。それじゃ、なぜ応募がないのだろうか。ヘルパーの講習会に参加する人や介護福祉士の国家試験の受験者が多いと聞くが受講修了者や合格者は一体どこにいるのだろう。
重度の障害者の生活が良くなることを目的に作られた自立支援法だがとんだ期待外れに終わっている点はだれもが周知している。だが、ここで愚痴っていても生活は良くならない。ヘルパーが集まる良い方法が有るのか無いのか、事業所も利用者もヘルパーもそして行政もそれぞれの立場でみんなで考えてみよう。どこかにスムースに流れず詰まっているところがあるように思う。
しかし、やはり大本になるのは制度を管理する法律の自立支援法がネックなのだ。国会でも議論されていることからみて改正される可能性ありと思っていいのだろうか。ころころ変わる制度に国民は翻弄される。介護保険との統合もまことしやかに言われているのも役人のオドシか脅迫としか思えない。ん!、これは新規参入をたくらむヤクザの世界ではないか。となると自己負担金は上納金か。
話をヘルパーの減少に戻そう。なり手が無い、ということではない。やりたいしもっと働きたいという声もある。しかし、社会保障が充実している職場とは言い難いこともあり、一家を背負う男性の職場とは言えないのだ。若くて心意気のある男性介護士が今の給料では生活ができない、と言って辞めていくドキュメントが放映される。だのに制度改正で単価が下げられヘルパーの中には半ばボランティアでやっている人もいると聞く。国はこのようなヘルパーに甘えていることを省みて真の自立を助ける法律を作るようにしなければ介護制度は崩壊する。