「縦横夢人」2020年春号(No.28)
活動報告
第21回 兵庫県総合リハビリテーション・ケア研究大会 参加報告
障害者就労の明るい未来をめざして
~プライドをもってはたらくために~
PDF 第21回 兵庫県総合リハビリテーション・ケア研究大会 参加報告
三戸呂 克美
2020年2月15日(土)兵庫県民会館において標題の大会が開催された。今回は就労、仕事と言った大きなテーマであったが、演者の話も現場で実際に活動されている人であり、内容も分かりやすかった。しかし、今回の発表は当事者自身の声ではなく、取り巻く支援者や取り組んでいる行政の担当者で、成功例に特化されるといった状況の発表であった。もちろん、現状はいろいろなご苦労や葛藤もあったことでしょう。特に、受け入れる企業の知識不足や、支援者とのコミュニケーション不足なども今後の課題として挙がっていた。
ちなみに、障害者には①身体②知的③精神(発達障害を含む)があり、障害種別での就業率には変化したことがある。
- 2000年(平成12年)
身体:67.9%、知的:26.1%、精神:5.7% - 2018年(平成30年)
身体:26.2%、知的21.1%、精神:47.0%
と、精神が大きく伸びている。(配布資料より)
我々に関係する項目もある。頸損者の就労はテレワークなどを早くから取り入れ、在宅就労として定着している。他方、出社の形態をとれる人は少なく、移動には制約があり就労をあきらめざるを得ない人もいる。解決策として、介護を受けながら働く仕組みをつくることである。
◆在宅勤務時間中の重訪の利用は否定的に解釈されている。が、そもそも定期的な体位変換、排せつ介助、見守りなどは日常生活の支援であって、働くことの支援とはいいがたい。
◆「介護給付」(重訪、同行援護、行動援護)については、制度の趣旨や人員・財源の制約などから「通勤、営業活動等の経済活動にかかる外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出」は対象外とされているが、なぜ、経済活動にかかる外出は介護給付の対象とならないのか。 (配布資料より)
以上のように現制度を解釈し、各種の制度を活用して経済活動をすることで人間の尊厳を守り、生き生きとした生活を送ることが出来るようになる。
今回、参加して、障害者の就労には直接的、間接的にと当事者が日常関わることが少ない職域の人たちが支援にかかわっていることを聞き、将来に希望の光を見た会であった。