会員報告 在宅ワーク 「縦横夢人」2020年夏号(No.29)

「縦横夢人」2020年夏号(No.29)2020年8月11日発行

会員報告 在宅ワーク

在宅ワーク

島本 卓

 私は、現在所属している事業所(NPO法人)内にある相談支援事業所で、相談員を目指して日々勉強しています。私が相談員を目指そうと思ったきっかけは、人と関わることが一番向いていると思えたからです。また、障害者で相談員をされている方がいるのか聞いてみると、とても少ないということを知って、自らの自立生活の様子や経験してきたことが活かせられると思い、相談員を目指すことを決めました。私と利用者さんの障害が違っても、福祉サービスを利用している者同士で共感できる内容も多く、また一緒に考えられることもあり、やりがいのある仕事だと思ったのです。

 私の場合、四肢麻痺で電動車いすであることで、1利用者さん宅の環境(玄関、生活スペースに電動車いすでは入れるか)、2面談時の記録の取り方、3移動方法の3つが課題としてあります。

 課題への対応策として、1同事業所の相談員さんに利用者さん宅の状況確認をお願いしたり、電話で利用者さんに確認したりして訪問させていただいています。2私自身でメモを取ることができないので、記録を取るために、利用者さんの許可を得てスマートホンのボイスレコーダーで録音をさせてもらっています。面談後にボイスレコーダーを聞き返しながら書類作成をします。3利用者さんが住まれている場所により、近くに最寄り駅やバス停がある場合は公共交通機関を利用し訪問しています。利用者さん宅が最寄り駅から離れている場合は、例えば、福祉タクシーを利用することで訪問することができます。

 もともと面談時には、同相談事業所の担当相談員の方に同行させてもらい、一緒に面談を行っています。しかし、新型コロナによる影響から、緊急事態宣言が出されたことで、3ヶ月ごとの利用者さん宅訪問による面談も、感染予防のために方法を変更することになりました。市役所からも新型コロナの感染予防について、3密を防ぐことを考え、電話での聞き取りによる面談を実施してもいいと通知がありました。やはり、利用者さんの顔をみて感じることも多くあったので、私自身が、聞き取りするだけでは利用者さんの状況が把握できるか不安でした。

 実際、面談時に電話を活用し行いました。同事業所の相談員の方が携帯2台を使い、私と利用者さんに電話をかけてもらい三者で面談をしましたが、ハウリングも少なく初めてやってみたのですが上手くできたと思います。私は昨年10月に褥瘡ができてしまい、自宅のベッド上で7ヵ月もの間、療養生活をしていました。療養を終えて間もなかったこともあり、当日はベッド上から面談に参加することができました(写1)。


写1ベッド上でメモを取りながら面談中

 今後を考えた時に、WEB環境がどんどん進歩していることで選択肢も多くなり、面談のやり方も変わっていくと思っています。今回、私は電話を使って面談を行いましたが、Wi-Fi環境があればzoomやSkypeを取り入れることで、利用者さんの顔を見ながら面談をすることができると思います。また、障害者だから相談員ができないと決めてしまわず、WEB環境を取り入れるなど、やり方や方法を工夫することが大切だと気づきました。そして、私にしかできないことをやり続けていきたいと考えています。

今後、一日も早く新型コロナが終息していくことを願うばかりです。


カテゴリー: 機関誌「縦横夢人」記事 パーマリンク