特集 新型コロナの前と後 コロナで得たものと失ったもの 「縦横夢人」2021年冬号(No.31)

「縦横夢人」2021年冬号(No.31)2021年2月15日発行)

特集
新型コロナの前と後
-新型コロナウイルスが頸損者の生活に与えた影響とは-


コロナで得たものと失ったもの

PDF コロナで得たものと失ったもの

土田 浩敬

1、はじめに

 今回の特集はコロナ禍の中で、自分たちの生活がどのように変わったのか。コロナ以前と以後で、私たちの体験をもとに、みなさんにお伝えしようと思います。

2、未知のウイルス

 日本国内でコロナウイルスが流行り始めた2020年2月頃。私はコロナウイルスのことを甘くみていました。インフルエンザや肺炎で亡くなる人の方が多いし、身の回りには感染者はいない。すぐにこのコロナ騒動も落ち着くだろう。自分は関係ない。そう楽観的に見ていました。大丈夫だろうと。
 すると、みるみるうちにコロナウイルスの感染が広まり、あっという間に日本全国に広がりました。
 大丈夫だろうと、考えていた外出予定は全てキャンセルしました。3月の末に予定していた海外アーティストのライブまでキャンセルに。そこから世の中に自粛が広がり、ちょっとした外出も控えるようになりました。

3、生活面の変化

 生活していくうえで、変わったことがいくつかあると思います。それは、人によって変わる所は微妙に違うかも知れません。例えば、いつも電車通勤している人が、人混みを避けるために自転車通勤になったとか。頻繁に外食に行っていた人が、家で食事するようになったとか。家で食事をするようになって、食材を買いに行くようになったなど。生活スタイルが変わると、行く場所や行動が変わってきます。
 私も色々と生活面が変わりました。私は普段から、スマートフォンや車椅子を操作するために、マウススティックを使うのですが、外出時にマスクをすることによって口元が塞がり、マウススティックが使えなくなりました。マウススティックが使えないことで、今までになかった煩わしさを感じるようになりました。


普段使用しているマスク

 みなさんもそうだと思いますが、会議や研修、イベントも全てオンラインに変わりました。オンラインになることで、移動をすることなく参加出来ることがメリットでもあります。また、私が感じているのは、オンラインの方が比較的意見が言いやすいように思います。まぁこれは、時と場合にもよりますが、チャット機能もあるので便利だなと感じているところです。
 あとは普段、携帯電話を家で使う時はWi-Fiを利用しているので、外出をしなければデータ通信費がほとんどかからず、月々の携帯電話代が安くなったという利点もありました。
 生活様式が変わることで、メリットとデメリットはどちらもあると思います。

4、有効な時間の使い方

 生活様式が変わったことで、今まで使っていた外出の時間、移動の時間などが必要なくなりました。それに伴って、新たな時間が生まれました。時間は有効に使いたいものです。コロナ以前は時間がなくて、やりたくても出来なかったことが沢山ありました。
 まず初めに、断捨離。服や家電、食器を某アプリを使って、色々売っちゃいました。世の中、外出を自粛する雰囲気が高まっていた時だったので、家でネットショッピングしている人が多かったからでしょうか。出品した商品は、すぐに売れてしまいました。
 次に模様替え。主に台所の模様替えをしました。介助者が使いやすいように、フライパンを壁に掛けて、食器類も配置を変えたりして、取り出し易くしました。


台所を模様替え

 ただ、断捨離も模様替えも継続的にすることではなくて、目標に到達したら、ひとまず終わりになります。これから先、いつまで続くのか分かりませんが、続けられることを条件として出来ること。それを考えると、以前やっていた絵画と、いつも中途半端だった読書を続けたいなと。


加古川線を走る車両

 絵画は本当に自分が描きたいもの、読書も自分が本当に読みたい本を読むようにしました。続けられる事、そしてそれらが習慣になれば良いと考えました。
 今のところ、毎日1時間ほど読書を続けています。読書をする時間を作って、本は読むようにしています。
 絵画は毎日とはいきませんが、それでも以前に比べると、絵を描く時間が断然増えました。絵画の作品も、いくつか完成しましたので、これからも増やしていきたいです。

5、コロナの影響

 私が一番コロナの影響を受けたのが、入院したことにより、ヘルパーが使えなくなったことです。諸事情で、12月の3週目から入院することになったのですが、コロナの感染を防ぐために、外部から病棟に入ることを禁止されていました。身内でも面会が出来ない状態でした。
 緊急入院でヘルパーも使えないということと、慣れた環境ではないことに、不安に思うことは沢山ありました。ただ、ありがたいことに、いつも行き慣れた病院で、昔からお世話になっている看護師やPT・OT、医師やソーシャルワーカーなど、知り合いが多くて本当に良かったと心から感じました。私が体の身動きが取れないことで、細やかな気配りに、色々と融通を利かせてくれました。
 環境の違いで不便に感じた所もありましたが、それ以上に私の経験として、得るものが多い入院生活でした。健康体のありがたさ、人の大切さを肌で感じました。

6、まとめ

 もしコロナが無かったら、私は日本の様々なところに足を運んでいたのだろうと思います。実際にその場へ行ってみないと分からないことも沢山ありますが、オンラインといった便利な物を知りました。そして時間というお金には変えられない物を得られました。ネガティブなニュースが大半のコロナウイルスですが、ポジティブな面も少なからずあることも、心に留めておきたいところです。
 依然、猛威を振るうコロナは怖い存在です。このコロナで知り得たものを有効に使いながら、早く終息することを願って、私からの報告を終えたいと思います。


カテゴリー: 機関誌「縦横夢人」記事 パーマリンク