特集 「身近なバリアフリー」 鉄道駅におけるホームと車両の段差・隙間調査 「縦横夢人」2022年冬号(No.35)

「縦横夢人」2022年冬号(No.35)2022年3月7日発行

特集
「身近なバリアフリー」

-バリアフリーの事例や課題について考える-


鉄道駅におけるホームと車両の段差・隙間調査

PDF 鉄道駅におけるホームと車両の段差・隙間調査

宮野 秀樹

 今回は、特集テーマが「身近なバリアフリー」ということで、姫路市でバリアフリー調査活動をされている田村辰男さんに、ご自身が取り組んでおられる活動についてお話を伺いました。頸髄損傷者となって42年になる田村さんは、これまで“自らが積極的に社会参加する”ことで、鉄道やまちづくりにおけるアクセス面でのバリアフリー化に取り組んでこられました。チンコントロール式の電動車椅子に乗り、兵庫県にとどまらず全国各地に赴き、バリアフリー調査を展開されています。かつては調査の様子を写真撮影し調査報告をされていましたが、近年はビデオカメラで撮影した動画を編集し、それを活用して様々な場所でプレゼンをされています。2017年に
YouTubeで『散歩マニア※1』というチャンネルを開設し、ここ1年ほどは精力的に編集した動画をアップされています。
 地元・姫路市をこよなく愛する田村さんの思いとしては、姫路の街にもっと多くの車椅子ユーザーに出かけてほしいそうです。京阪神エリアであれば、その場所に行けば必ず何人もの障害者や車椅子の人とすれ違うことができる。姫路の街もそんな風にならないかと思い、活動を続けられているそうです。
 そんな田村さんが、最近の動画で頻繁にアップされているのが「鉄道駅におけるホームと車両の段差と隙間調査」。この取り組みについてどのようなものか伺いました。


田村辰男さん

インタビュー:2021年12月29日(水) 話し手:田村 聞き手:宮野

宮野: ここ最近、鉄道駅におけるホームと車両の段差と隙間を精力的に調査されていますが、なにか理由はありますか?
田村: 鉄道駅におけるホームと車両の段差と隙間に関しては以前から関心がありました。かつて欧米で段差のない鉄道体験をし、その衝撃がいまだに忘れられません。鉄道のアクセス環境を変えたいという思いは強いです。
関西はまだまだ遅れているけれど、関東の方は、駅の「ホームドア※2」設置が進んでいます。おそらく時間は多少ズレると思いますが、関西にも積極的なホームドア設置の流れがくるはずです。どうせ順次工事するのであれば、ホームと車両の段差解消を一緒にしてほしいという思いが一番強いです。段差解消はそのまま放っておいて、ホームドアだけ設置するという流れは避けたいです。神戸を例に挙げると、阪急電車は段差解消せずホームドアだけを設置しています。その点、阪神電車はすごく段差解消が進んでいます。特に神戸三宮駅は優秀です。阪神電車の別の駅も結構段差は低いです。私が調べた範囲では、阪急電車は全く段差解消には力を入れていないように感じます。一応、阪急電車は「低床車両※3」を導入しているけれど、最新型になればなるほど、その低床車両とホームの段差を実際に測ってみると、まだまだかなりの段差があることがわかります。最新型低床車両を導入しても段差があるという結果は、ちょっと見過ごせません。
阪神電車は、段差解消と同時にホームドアを設置しようとしている傾向があります。阪急電車はまだ神戸三宮駅と十三駅にしかホームドアが設置されていないようです(春日野道駅に2022年度末までに設置完了予定)。十三駅はまだ調査していないのですが。


↑ホームドアは設置してあるが段差解消はされていない阪急電車の駅

↑ホームドア設置と段差解消がされた阪神電車の駅
宮野: ここで田村さんが調査された関西(主に阪神エリア)の鉄道各路線における駅のホームと車両の段差と隙間の調査データを見てもらいたいと思います。

宮野: このデータを見ていたら、大阪メトロ(千日前線、長堀鶴見緑地線、今里筋線)、それからJR西日本321系、阪神電車5700系、阪急電車1000系(2代)、ポートライナーに六甲ライナー、神戸市営地下鉄6000系、地下鉄湾岸線、大阪モノレールがありますが、かなりの大調査をされていますね。これをお一人で約1年かけて調べられたと伺っています。新型コロナウイルス感染症が拡大している中、感染予防に努めながらの調査は大変であったと思います。

田村: ホームページで、大阪メトロは段差解消と同時にホームドアの設置を進めていると発表していたのを見たり、JRも段差解消とホームドアの設置に一応は取り組んでいるのは知っていたけれど、阪神電車が段差解消とホームドアの設置を行っているのを知って本当に驚きました。ホームと車両全体が段差ゼロみたいになっているのは凄いです。しかも、ホームドアを設置するとなると金額的に凄く大きくなります。でも、いずれにしても、ホームの改修費用にお金をかける際には段差解消も入れるべきです。段差解消は極端に言えば、わずかな費用をかけてちょっとコンクリートを足すなどの工夫をするだけでできると思います。ホームドアの設置に必要な費用は、100万円か200万円くらいか?そんな少なくないかもしれませんが(実際には1基400万円必要)、そこにわずかな費用を上乗せするだけで段差解消はできるはずです。大阪メトロは、ホーム全体が段差解消されており、どこからでも車両に単独乗降することができます。だからもっと多くの路線の段差解消状況を調べようと思いました。関東は、特定の車両のドアの前だけが段差解消されているケースが多いそうです。車椅子で活動している人のアクセス問題に関する専門的な研究や話題提供をしているグループ『車いすアクセスマニアの研究会』で言われていました。この前、『全国アクセスマニア集会』がZoomで行われていたのですが、その中で「東京の段差解消のやり方はおかしい。何号車の何番目のドアの前とか、特定の2ヶ所くらいしか段差解消しないで、ホーム全体はそのまま段差解消せず放っておいて、ホームドアだけを設置している。」と苦言を呈していました。私もその意見に同感です。特定のドアの前だけ段差解消されても、他の地域から来た人にはどこが段差解消されているとはわからないし、たまにしか電車を利用しない人には、イチイチ鉄道会社ごとに違う、共通化されていない“何号車の何番目のドアの段差解消”を頭に入れておくのは不可能です。よほど頻繁に電車利用する人か、いつも利用している特定の駅と電車があるならば、特定のドアの前だけの段差解消は価値があるかもしれないが、それ以外の人には利用価値がないと思います。どうせやるなら多少お金がかかっても、全ての人が利用しやすいようにホーム全体をかさ上げするべきです。
最近知ったことですが、神戸市営地下鉄も全駅ホームドアを設置することが決まっているみたいです。ただ、前回、ホームドアの設置を請け負ってくれる事業者を募集したとき、応募する事業者がなかったとHPに書かれていました。思ったより工事の委託費が安いのか、ホームドア設置のノウハウを持っている会社が関西にあまりいないのか、そのあたりの詳しい状況はわからないけれど、神戸市営地下鉄は各駅段差がそんなにないので、早くホームドアは設置すべきです。駅によっては、単独乗降できるし、段差が2~3cmの駅が多いです。大阪メトロみたいに、ホームドアの出入り口となるホームと車両の最接近部分に「くし状ゴム」を取り付けると、出入り口の隙間がふさがれ格段に使いやすくなります(下部写真参照)。取り付けるだけで利用しやすくなるのだから、こういう工夫を積極的にしてもらいたいです。
 

宮野: もう大阪メトロは全駅、全ホームの段差解消がされているのでしょうか?
田村: 今、調べているのは3路線(千日前線、長堀鶴見緑地線、今里筋線)だけですが、一応3路線は全駅、全ホームにホームドア設置と段差解消が完成しています。2022年3月までに御堂筋線が完成する予定です。御堂筋線は、大阪メトロで一番主要な路線です。一番多くの人が利用する路線だから、それが段差解消されるというのは大きな意味があると思います。2022年度には堺筋線が、2024年度までに四つ橋線と中央線が、最終的に2025年度で谷町線が改修される予定で、これで大阪メトロ全路線、全駅にホームドア設置と段差解消が完成することになるようです。
宮野: 調査されたデータを見ると、段差と隙間の数字がありますね。単独乗降には車両とホームの隙間も大きく関係しますよね?(駅名の次が段差、その次が隙間を表しています)
田村: 車両とホームの隙間は、10cm以内なら電動車椅子であれば大丈夫です。それ以上になればタイヤは落ちますね。段差がゼロに近ければ、降りる時であれば10cmくらいの隙間があっても(私の電動車椅子であれば)大丈夫だと思っています。ただし、自走式(手動式)車椅子のキャスターは落ちる可能性は高いですね。
宮野: 車両とホームの段差や隙間の理想は何cmなのでしょうね。
田村: 東京のほうで調査した結果によると、段差は3cmで、隙間は7cmだったら、9割の被験者が単独乗降できたことが報告されていました。国土交通省のHPに「鉄道駅におけるプラットホームと車両乗降の段差隙間に関する検討会」のとりまとめがアップされています。
<参考>鉄道:鉄道駅におけるプラットホームと車両乗降口の段差・隙間に関する検討会 – 国土交通省
(以下は実証試験の結果報告の一部を抜粋して掲載しています)
PDF 鉄道駅におけるプラットホームと車両乗降口の段差・隙間に関する検討会 とりまとめ

(1)実証試験の条件
◯被験者:23名(手動車椅子10名、簡易電動車椅子5名、電動車椅子6名、ハンドル型電動車椅子2名)
◯障害の種類:二分脊椎症、脊髄性筋萎縮症、頸髄損傷、脳性麻痺、ポリオ、両下肢機能障害、筋ジストロフィー、シャルコー・マリー・トゥース
◯施設:直線プラットホーム、コンクリート軌道、軌道変位なし
◯車両:空車、車両動揺なし(静的な状態)
◯段差・隙間の設定:プラットホーム端部と車両乗降口に複数の木製の板(コンパネ)を組み合わせて設置することにより、模擬的に段差・隙間を設定
:段差2cm・隙間3cm(最小値)※1~段差5cm・隙間10cm〈最大値〉※2
◯段差・隙間の範囲※1:段差2cm・隙間3cmは、大阪市高速電気軌道にて対策が実施されている数値
※2:段差5cm・隙間10cmは、鉄道に関する技術基準(土木編)の解説において車椅子使用者が円滑に乗降することができないとして記載されている数値

(2)実証試験の結果

  • 段差が小さくなると乗降可能な隙間が大きくなり、段差・隙間の組み合わせは相反関係にあった。
  • とりわけ、隙間の大きさに比べて、段差の大きさが乗降のしやすさに大きく影響を及ぼす傾向にあった。
  • 同じ段差・隙間の場合、降車よりも乗車の方が達成率は低い傾向にあった。(後述する乗降達成状況は、より条件の厳しい乗車時の数値としている)
  • 乗車のしやすさは、電動車椅子などの動力付きかどうかの違い、手動車椅子の使用者の操作力の違い(ウィリー操作が可能な被験者か否か)の影響を受けた。

(結果例:被験者(23名)の達成率)

鉄道に関する技術基準(土木編)の解説において、段差5cm・隙間10cmは車椅子使用者が円滑に乗降することができないとして記載されている数値になっているけれども、実際はどうなんだろうとデータを集めるための実証実験をやったみたいです。段差2cm・隙間3cmから段差5cm・隙間10cmを最大値として、板などを敷いて段差を作り、様々なタイプの車椅子、様々な障害種の被験者に試してもらったら、段差2cm・隙間3cmであれば被験者全員が単独乗降可能だったという結果が出ています。
達成率の表からすると最大段差3cm・隙間6cm内であれば、90%以上の人が単独乗降できたことが伺えます。ただ、段差5cm・隙間10cmになると61%の人しか単独乗降できなかった結果も出ています。

宮野: この「鉄道駅におけるプラットホームと車両乗降の段差隙間に関する検討会」のデータと田村さんが調査されたデータを比べてみると、関西の鉄道駅もまだまだ改善の余地がありますね。

田村: 段差10cmとかは全然ダメです。やはり単独乗降達成率90%にいかないと実用的ではないと考えています。段差ゼロにすれば、全ての人が乗り降り可能になるだろうから、段差がある限り100%ではないと考えるべきです。実証実験のデータからも段差2cm・隙間3cmにするのが理想です。単独乗降達成率100%にするのが理想です。


↑ホーム全体がかさ上げされた大阪メトロの駅

↑一部がかさ上げされた大阪モノレールの駅
宮野: 田村さんが調査された中で、この駅が理想と思うようなところはありましたか?
田村: 阪神電車の神戸三宮駅が理想ですね。車両出入口を見てもらったらわかります。段差、隙間がないです。隙間らしい隙間が空いていないのです。ほぼピッタリとくっついています。3番ホームは、ちょっと隙間がありますが、おそらく3番ホームはカーブしているからどうしても隙間が生じてしまうのでしょう。でも、神戸三宮駅の段差・隙間であれば誰でも乗り降り可能だと思います。また、歩く人の足元に『発光式列車接近表示器』のランプがチカチカするので聴覚障害者にもどちらから電車が入ってくるかがわかります。こうやって点滅してくれると凄くわかりやすいです。
理想の駅とは話が変わるのですが、1つ心配していることがあります。大阪メトロのことなのですが、最初に改修された長堀鶴見緑地線は、段差2cm・隙間4cm以内の目標で改修したので車両出入り口に段差・隙間はないのですが、後に改修された今里筋線には、車両出入り口のホームにくし状ゴムも設置されておらず、段差と隙間が結構あるのです。段差の大きいところは5cmくらいあるので、車椅子によっては乗降できない人もいると思います。千日前線は、見た目もあまり段差・隙間がないです。千日前線は、段差1cm・隙間3cmの駅が多いです。電車の各車両に車椅子スペースもあります。だから今里筋線の段差や隙間が気になります。車両出入り口のホームにくし状ゴムを入れていないので、どうしても隙間が大きくできています。長堀鶴見緑地線と千日前線は、くし状ゴムを設置しているので隙間がありません。今里筋線は、くし状のゴムが設置してありません。他の路線の中でも、ホームドアの設置と段差解消を行ったのが最後の路線なのに、この段差・隙間の数字を見ると「もしかしたら大阪メトロはこの傾向で改修を行うのではないか?」と思ってしまいます。それはかなりマズイです。長堀鶴見緑地線や千日前線のように段差2cm以内が理想で、この高い水準を守ってほしかったのですが。なぜこんなにも段差や隙間をつけてしまったのか理由はわかりませんが、東京のほうで調査したデータを持っていて「これくらいを満たしていればよいのでは?」と思っているのではないかと勘ぐってしまいます。


阪神電車・神戸三宮駅、ホームから車両に乗り込む様子(左)と段差・隙間のないことがわかる写真(右)
宮野: 田村さんが懸念しているのは、今里筋線の改修が最新なのに、それまでにあった高い水準の段差・隙間を参考にせず、東京で実証実験したデータが示す“この程度を満たせばOK”のようなちょっと低めの水準にされてしまうのではないか?ということですよね?なし崩し的にクオリティーの低いものを作られてしまうのではないかという危うさを感じているということですよね?

田村: その通りです。この前、大阪メトロの御堂筋線を調べてきました。調査データはそんなに悪くはなく、今里筋線改修後の大阪メトロが、段差・隙間解消に関して手を抜いている感じはなかったので安心しました。ちなみに調査方法は、介助者に直角定規で段差や隙間の長さを測ってもらい、スマートフォンで記録してもらって、そのデータをLINEで送ってもらうという形をとっています。
調査すると、まだ工事中の駅もありました。気になったところで言えば、西田辺駅の段差と隙間です。ちょっと高さと幅があります。今後、工事してくれると期待しています。天王寺駅は、工事は終わっていたと思います。段差が3.5cmと結構ありますが、隙間が3cmだから、もしかするとくし状ゴムが設置してあったかもしれないです。なかもず駅は、段差1cmなのに隙間7.5cmもあり、工事が終わっていないか、くし状ゴムが設置されていないと思います。もしくは、工事は終わっているけれど、くし状ゴムが設置されていなかっただけかもしれません。
田村: 本当に調べたかったのは、実はニュートラムです。南港に行く電車です。あれが意外と段差と隙間がなかったようなので、何とか単独乗降できそうだと思っていました。でも実際は、隙間の幅が結構ありました。くし状ゴムを設置したら確実に単独乗降できると思います。
宮野: 単独乗降できるかを考えたとき、大阪メトロのまだ改修されていない路線は段差や隙間に問題があるように思うのですがいかがでしょうか?
田村: そうですね。四つ橋線なんかは、まだ改修に着工していないです。ホームドアもまだ設置していないし、古い車両が走っています。四つ橋線に走っている車両は20000系です。最新の車両は30000系です。やはり最新の車両であればあるほど低床になっています。これは段差解消を一応意識しての低床だと考えています。一応どの鉄道会社、JRや神戸市営地下鉄であっても最新の車両は低床になっています。
問題なのは、阪急電車のウィキペディアを見ると、「低床車両導入」って書いてあるけれど、実際には低床車両になっていません。将来は全鉄道会社の全ての車両が低床車両に替わっていくと思います。新型車両になると、段差が解消されていくと思います。
宮野: そこにプラス田村さんの望みとしては、車両出入り口のホームにくし状ゴムを設置すると隙間も埋まっていくはずだから、単独乗降するためにもっと段差解消と隙間を埋めてくれ!って考えておられるのですね。
田村: そうです。スロープでしか電車介助できない状態だと、車椅子の人が増えれば増えるほど、介助者も増やしていく必要があります。人件費ほど高くつくものはありません。そんなことに無駄なお金を使うのだったら、ホームドア設置に使うべきです。設置後は維持費もかかりますが、最初ほどの大きなコストはかからないはずです。それよりも、膨大な人件費を払い続けるほうが、鉄道会社的にもデメリットが大きいのではないでしょうか。


↑スロープ無し(段差解消)は介助の必要がない

↑スロープ設置には介助が必要
宮野: 全ての電車に単独乗降が実現するには、まだ課題が多いのはわかってきました。その他に鉄道バリアフリーに関して課題はありますか?
田村: 大阪や東京であれば、街中を歩いていると車椅子の人と凄くたくさんすれ違います。姫路市では、外出して車椅子の人に出会うことはあまりありません。もっと姫路市の街中に車椅子の人たちが出てこられるような環境改善に取り組みたいです。
最近、調査していて気づいたのは、ベビーカーを押す人がすごく増えたことです。駅やデパートであれば、オストメイトはもちろん、赤ちゃんのおむつ交換台やベビーチェアなんかを設置してあるトイレも多いから、小さな子供を連れた女性が出やすい環境ができてきたことの表れですね。今まで外に出づらかった人たちが出られるようになったのはよいことですが、駅のエレベーターでは、ベビーカーと車椅子の人が行列を作るようになってしまいました。高齢者やスーツケースを持った旅行者もいるので、エレベーターが何往復もするのを待たなければいけません。みんなが確実に大きな時間をロスしています。優先的に車椅子に順番を譲ってくれる人もいますが、日本人的には先着順という考えが一般的にあるので、車椅子は後回しということもしばしばあります。大阪駅なんてエレベーター待ちに10分近く待つこともあります。やはりニーズに対応してうまく改修してほしいです。車椅子が2台以上か、ベビーカーが数台乗れるような大型エレベーターを設置するべきです。海外はエレベーターが広いのは当たり前ですよね。駅のエレベーターは、乗客がスーツケースを持ち込むことを想定して、一度にたくさんの人に対応できるようにしてあります。日本も多様性に応じた環境整備が必要だと思います。
宮野: 今回は多くの質問に答えてくださってありがとうございました。これからも鉄道駅の段差・隙間調査を進めていってください。どこかで大々的な報告会をしたいですね。
田村: 全ての鉄道駅で単独乗降できるように活動を続けていきます。駅などで見かけたら気軽に声をかけてほしいですね。
※1WEBやInstagramに「お散歩マニア」で投稿されている方は、田村さんとは関係ありません。※2ホームドアまたはスクリーンドアとは、鉄道駅においてプラットホームからの転落や列車との接
触事故防止などを目的として、線路に面する部分に設置される可動式の開口部を持った仕切り。
(ウィキペディアから引用)
※3路面電車やバスなどで、床面を低く作り、入り口の段差を小さくして乗降しやすくした車両。

参考
お出かけ情報 | NPO法人ライフサポートはりま


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