縦横夢人2011年夏号(No.3)2011年6月1日発行
米田 進一
5月22日、I、池田、米田の3人が呼吸器メンバーだけで広島へ交流会に行ってきました。昨年、広島県から来られたS・Hさんに会えなかったことを挽回するため、今度はこちらから会いに行くことを今回の交流会の目的とした企画を立てて実行に至りました。当日は雨模様でしたが、広島駅に着くと晴れていました。Iさんと僕は正午に広島に来たのですが、池田さんは往復バスで移動とチャレンジャーと言うべきか驚きものでした。池田さんは予定より30分程遅れるとの事で、Iさんと僕は先に介護タクシーで斉藤さんの御自宅に向かいました。広島駅から車で15分程離れた所にある閑静な場所でした。車から降りると妹さんが出向いて下さり、中に入るとSさんとHさんが出迎えて下さいました。簡単な挨拶を済ませ、お部屋の構造を拝見させて頂きました。Sさんの御自宅は福祉住宅になっており、福祉住宅に住むきっかけになったのは、県から紹介された<福祉スタジオ>に関わって貰ったが、最初は元の家の改築という事だったが、検討を重ねて行く内に建て替えになった。大きくその決心に至ったのはリフトの存在で、在宅暦は、2008年10月20日に帰って2年7ヶ月だそうです。福祉住宅での良い点は、福祉住宅だからという点では、自分の運転する電動車椅子で部屋の中でも外に行くにもバリアフリーである事やスロープが玄関まで続いている事など、設計士との話し合いの中、試行錯誤しながら、車椅子でも充分な広さと皆さんにも集まっていただけたように、1階の全ての部屋をワンルームになるようにしたこと。また、自分の部屋から仏壇の両親が見えたり、自分の部屋の家具は造り付けにして安全を確保したりした点。悪い点は、やはり風邪を引くことが一番怖いと思ったので、高気密、高断熱にしたつもりだが、日当たりの良い部屋や、吹き抜けの天井は、思ったより暑かったり寒かったりして後から工夫したり追加で工事して貰った。でも、ヘルパーさん達に聞くと我が家は他所と比べると快適らしいです。一番の楽しみはいつでもお墓参りにも行け、友達に遊びに来てもらえたり、買い物や食事に出掛けたり、旅行やコンサートに行ったりすることが楽しみだそうです。困ったことは、友達の家がバリアフリーでは無い事。ヘルパーさんや行政等のことは、「あげればキリがないことなので‥」と仰って居られました。Hさんは頸損歴30年だとか、褥瘡によく悩まされているそうでした。もう一人の呼吸器使用者のKさんは体調不良のため残念ながら欠席で、代わりにお父さんが来られていました。そうこうしている内に14時を廻っていたので、池田さんが遅れていることが心配になり電話をすると、介護タクシーが小さく乗られないとかで、近郊で走行しているタクシー会社に妹さんやHさんに電話をして頂いたり、どんどん滞在時間が無くなってきたので、池田さんを待たずSさんに音頭を取って頂き乾杯しました。本場の広島焼きを食べられて良かったです。美味しかった!池田さんがSさんの御自宅に到着したのは15時を過ぎた頃でした。結局小さい軽四の介護タクシーに乗れたそうです(笑)池田さんの事は先日放送された「きらっと生きる」が広島の頸損会でも話題になったそうです。30分位話をしたと思いきや、池田さんが16時30分の帰りのバスに間に合わないので、ある意味、強制的に交流会は終了となりました。最後に集合写真を撮り、池田さんを最優先に送り出し、Sさん、妹さん、Kさん、Hさんにお見送りを受け御自宅を後にしました。広島県での滞在時間は約5時間の今回の旅は、楽しい思い出は勿論のこと、今回呼吸器メンバーだけで遠征できたことは大きな収穫になり、池田さんの移動によるハラハラドキドキした1日でした(笑)