「縦横夢人」2019年春号(No.24)
会員報告
バリアフリー2019
島本 卓
私は、4月18日(木)から20日(土)インデックス大阪を会場で行われた「バリアフリー2019」(以下、会場)の見学をしてきました。西日本最大級の総合福祉展といわれています。
私は今回で3回目の見学ですが、印象としては在宅サービスのソフト、施設等の入浴機器、感染予防などが多かったと思います。また電動車椅子の出展が少なく、折り畳み(自動)車椅子を見かけることがありました。
今回の見学をするにあたって、「災害」をテーマに製品を見ることにしました。なぜこのテーマにしたかというと、私の生活の大半は電気がないと作動しない福祉機器が多くあります。 例えば、生活の中での優先順位であげてみると、「電動ベッド」、「エアーマット」、「移乗用リフト」、「電動車椅子」があります。近年では災害への意識も高くなりつつある中で、「水」、「食事」を思い浮かべられることが多いです。しかし、障害者だけではなく誰もが必須なのは「電気」だと思います。
今回、会場で一番惹かれたのが「ライフクリエートワークス・ココン」が出されていたブースです。災害をはじめ、工事現場等にも対応できる蓄電池を紹介していました。実際、私の自宅では3つの蓄電池を取り入れながら、日常生活の中で使用しています。私が持っている蓄電池は「電動ベッド」、「エアーマット」、「移乗用リフト」であれば使用できますが、「電動車椅子」を充電するにはアンペアが大きいため、充電できません。展示されていた蓄電池は容量が多く、私の電動車椅子も充電することができました(写1)。
製品自体の大きさや重さもかなりあるので、自宅でとなると使用できませんが、さらに驚いたことがあります。なんと蓄電池が入っているケースが、米国航空輸送協会の「ATA規格」、防水・防滴規格の『IP規格』など軍事・産業等の様々な規格をクリアした「ペリカンケース」に入れられていたことです。ペリカンケースは「防水性」、「耐熱性」、「衝撃」に優れているのが特徴です。
災害はいつ起こるかわからないことにより、誰もが意識しているものの、準備までには至っていないのが現状だと思います。いざ災害が起こってからの準備では間に合わず、停電という事態も考えると、私たちの生命の危機に結びついてしまうことにもなりかねません。現在では水を入れただけで使用できる「マグネシウム空気電池」の開発もされています。誰もが災害時に即導入できる「災害対策アイテム」の開発が広がることを臨みます。
兵庫頚髄損傷者連絡会が主催で、今年の11月2日(土)に神戸市勤労会館を会場とし、人工呼吸器シンポジウムを開催する。人工呼吸器ユーザーが電源の確保に不安を感じることがなく、安心して生活できることが求められます。そのためにも、蓄電池をはじめてとする研究開発が進むことが望まれています。人工呼吸器シンポジウムに参加いただき、会場の皆さんと一緒に意見交換ができればと思います。
写真 高性能蓄電池で電動車椅子を充電
バリアフリー2019/慢性期医療展2019/看護未来展2019/在宅医療展2019