連載 Road to Paralympic 第8回 ノエビアスタジアム神戸 「縦横夢人」2019年夏号(No.25)

「縦横夢人」2019年夏号(No.25)
リレー連載

Road to Paralympic
第8回 ノエビアスタジアム神戸(御崎公園球技場)

PDF Road to Paralympic 第8回 ノエビアスタジアム神戸

坂上 正司

 2018年6月にラグビーの国際試合・日本代表対イタリア代表戦をノエビアスタジアム神戸(以下、「ノエスタ」と略す)に見に行きました。ノエスタは、正式には御崎公園球技場といい、神戸市立中央球技場を2002年FIFAワールドカップ日韓大会開催の際に新しく建て替えられたハイブリッド芝の国際級球技専用スタジアムです。34,000人収容。命名権ができるまでは「神戸ウイングスタジアム」の愛称で呼ばれていました。
 最寄り駅のJR福知山線(宝塚線)中山寺駅を出発。南北の地上出口からは貫通式エレベータで自由通路にアクセスでき、自由通路が橋上改札を兼ねています。小人切符を介助者分と2枚購入。行き先を告げて、自動改札を通過。障害者手帳見せろという差別待遇はなくなったようですが、相変わらず改札近くで待たされる&乗れるはずの列車を1回遅らされるという冷遇は続いています。快速で尼崎へ行き、東海道本線(神戸線)の新快速に乗り換えます。JRの三宮駅では毎回障害者手帳の提示を、乗車時だけでなく下車時にも求められ、切れることしばしばです。地下鉄への乗り換えに便利なのは中央口改札ですが、感じが悪いので東口改札を使うようにしています。ここから地下鉄海岸線の三宮・花時計前駅に向かいます。
 JR・阪急・阪神・ポートライナー・地下鉄山手線の各三宮駅からは、さんちか経由での乗り換えが便利です。JRからは中央口改札を山側に出ると、すぐ左に神戸市営地下鉄への連絡エレベータ(15人乗り貫通式)があるので地下へ降ります。阪急から東改札を出て右、交通センタービルのエレベータで地下へ。阪神は改札を出たらさんちかです。さんちか南端まで行くと花時計前駅です。目的地は御崎公園駅です。地下鉄海岸線へは、JR新長田→新長田、JR神戸→ハーバーランドと言う乗り換えルートもあります。
 御崎公園駅エレベータ出口からは東へ500メートルでノエスタ入り口です。
 車いすで入場するには、東側へ進んだところにそれらしきマークがあるので、そこから入り、閉鎖エレベータで2階へ行きます。車いす席はメインスタンドに4カ所、バックスタンドに6カ所、1カ所につき車いすだけだと8人は入れそうでした。利用したときは一番ゴール側に行けと言われたので、理由を尋ねると、「あとから来た車いす客が観覧しにくいから」とのこと。当然、「ふざけるな」と一蹴。なるべくセンターラインよりに位置取りました。どうやら車いす席の取り扱いについては決まっていないようです。車いす席は2階通路のピッチ側にせり出していて、バックスタンドでは10メートルライン付近、22メートルライン付近、5メートルライン付近にあるため、サイトラインは十分に確保されています。大型ビジョンは2カ所にあり、どの席からも見やすいようでした。メインスタンドはなぜか車いす席が利用されていないようでした。いろんな部分で、スタジアムのレベルにスタッフのレベルがついていけてないことが見て取れました。退場時も規制退場ではなく、ラグビーワールドカップに憂いを残す感が漂っていました。スタジアム外ではスタッフが、駅までの歩道は警察が交通規制を行っていましたが、ちょっとずれているような。
 試合は接戦の末、日本代表が負けました。
 帰りの地下鉄の中では、イタリア人らしき集団が勝利の歌らしきものを歌っていたので、お付き合いをしていました。花時計前の一つ手前の旧居留地・大丸前で下車。2014年の全国頸損連神戸大会でお世話になった一貫楼さんで豚まんをお土産に買って帰途につきました


ノエビアスタジアム神戸

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