連載 糖尿病⑥ ~治療方法って?~ 「縦横夢人」2019年秋号(No.26)

「縦横夢人」2019年秋号(No.26)
連載

糖尿病⑥
~治療方法って?~

PDF 糖尿病⑥~治療方法って?~

三戸呂克美

糖尿病のおさらい

 糖尿病は加齢のほか日常の生活習慣が誘因となって発病するので、「生活習慣病」といわれる。
現代社会そのものが糖尿病になる生活習慣を生みやすい環境にある。食べすぎ、運動不足、ストレス、アルコールの飲みすぎなど、どれをとっても糖尿病を招きやすい条件はそろっている。
 私たちは、食物を消化することで、生命を維持し活動(運動)するためのエネルギーを得ている。
 食物中の栄養素には、炭水化物、脂質、たんぱく質があり三大栄養素と呼ばれているが、エネルギー源として最も必要とされるのが炭水化物である。
 炭水化物は、消化されブドウ糖となって肝臓へ送られ、そのうちの一部は脳や筋肉で利用されるが残りのブドウ糖は肝臓内にグリコーゲンとして蓄えられる。余った分は脂肪になって蓄えられる。
 インスリンは膵臓(すいぞう)で作り出されるホルモンで、細胞が血液の中からブドウ糖を取り込んでエネルギーとして利用するのを助ける働きをしている。インスリンの出が不足すると、ブドウ糖を取り込めなくなり血液中に残る。血液中のブドウ糖濃度を「血糖値」といい高くなると高血糖状態になる。この状態が継続するのが糖尿病である。

糖尿病の治療

 糖尿病の治療とは、合併症の発症を予防するために高血糖を治すこと、つまり血糖値を下げることで、手段は、食事療法、運動療法、薬物療法の三つが柱となる。その中でも重度の頸損者にもできる治療方法は食事療法と薬物療法であり運動療法は難しいだろう。

食事療法
 食べ過ぎて余分なエネルギーを取ると、それを消費するのには相当の時間と労力がいる。食事の量を抑える方が血糖コントロールはやりやすい。実際、食生活が乱れていると治療効果はない。食事療法は糖尿病治療の根幹となる治療法である。2型糖尿病の場合、厳格に食事療法を守れば、7割以上の対象者(患者)がそれだけでコントロールが可能である。具体的には、病院で栄養士から指導を受け、講習会に参加するなどして栄養バランスのとれた食事の仕方を覚えるようにし、「糖尿病食事療法のための食品交換表」を利用するのが標準的な方法である。
 しかし、一人暮らしの人には毎日のことであるので続けることが難しいと思われる。 最近では、糖尿病の治療に配慮されたレトルト食品、カロリー計算された食事・食材の宅配などもあり、時には健康維持に利用することもよい方法だろう。

運動療法
 運動すれば、体内に余分に溜まったエネルギーを消費することで血糖値は下がる。さらに、血行がよくなる、ストレスが解消される、皮下脂肪が減る、骨格筋が増える、生活の活動(運動)度が高まるなど、多くの効果を得られる。
 運動の種類は、日常できるものならどんな運動でもよいが、できるだけ全身を動かすものがよい。週末だけに集中して運動するといった方法よりも、できれば毎日できる運動がよい。それには「歩くこと」が最も勧められるが、我々頸損者には難しいので工夫が必要。

薬物療法
 食事療法と運動療法だけではコントロールがうまくできない時、薬物療法を行う。経口血糖降下薬(飲み薬)を用いる内服療法と、インスリンなどを注射で補充する自己注射療法との二つがある。
 経口血糖降下薬は膵臓からのインスリン分泌を増やしたり、細胞のインスリン感受性(インスリンが正常に働く力)を高めたりして血糖値を下げる。インスリン療法は直接体外から補充したインスリンが血糖降下を助ける。どの薬物療法をいつから始めるかは、それぞれの糖尿病のタイプや病状、合併症の進行具合など、さまざまな要因を総合して決められる。頸損者は自分で注射ができない人が多く管理が難しいこともあり、経口薬で調整している人もいる。

糖尿病は自己管理が大切な病気
 現在糖尿病を患ってる人で中途半端な知識や治療は、逆に怖い結果につながる。しっかりした指導を受け、正しい治療を気長に続けることが大切である。そして、糖尿病は自分をいかに強く制していけるか、克己心が必要な病気といえる。自分自身のために日々の自己管理を絶やさず、意志を強くもってがんばりましょう。
(資料はネットニュースより引用)


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