連載 お店めぐり「JICA関西食堂」 「縦横夢人」2020年春号(No.28)

「縦横夢人」2020年春号(No.28)
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お店めぐり「JICA関西食堂」

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橘 祐貴

 今後の機関誌の内容をどうしていこうかという話しの中で、「今までに行ってみた店の紹介記事を書いてみては?」と提案があり、今回から私が訪れてみておすすめだった店を紹介することになりました。「さて、どの店を紹介しようか?」といろいろ考えてみましたが、新型コロナウイルスの広がりの中、人ごみの中に出かけるのはリスクが大きいので、今回は自宅の近くで私がよく行っている「JICA関西食堂」を紹介します。ちなみに私が訪れたのは3月の初めでしたが、3月末より新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、当面の間休業しています。
 JICA関西食堂はHAT神戸にある国際協力機構「JICA関西」の1階にある食堂です。JICAの職員以外の一般の人も利用でき、平日昼は近隣の会社員などで賑わっています。近くに兵庫県立美術館や人と防災未来センターもあるので、週末も利用客は多いです。また、昼だけでなく夜も営業しています。JICAの職員は世界中から来ているので、職員さんのグループが利用している時は外国語が飛び交い、ちょっとした旅行気分を味わえます。
 店内はゆったりとしたレイアウトで座席数も100席ぐらいあるので、電動車いすでも「混んでいて利用できない」ということはまずないです。テーブルは、私の車いすで使いやすい高さです。メニューはうどんや丼のような通常の食堂メニューもありますが、様々な国籍や宗派の人が利用するので、ハラール料理やベジタリアン向けの料理も用意されていて、カレーだけでもビーフやポークなど数種類あり、ライスかナンまで選ぶことができます。どのメニューにしようかいつも迷ってしまいますが、せっかくJICAの食堂に来たのなら、月替わりエスニック定食をお勧めします。月替わりエスニック定食は世界の開発途上国の料理のプレートで、毎月取り上げられる国が変わるので飽きません。世界中の国が取り上げられますが、開発途上国の多いアフリカや中南米の国がよく取り上げられているように感じます。
 ちなみに私が訪れた3月は桃の節句にちなんで「世界の桃色料理」というテーマで、各国の桃色の料理のプレートでした。テーブルに置いてある説明パネルによると、3月8日は国連が1975年に制定した「国際女性デー」なのだそうです。このパネルにはエスニック定食の内容についての説明も書いてあるので、毎回食べながら見ています。今回はそれほどクセのある料理はありませんでしたが、エスニック定食はどれも日本人でも食べやすいようにアレンジされているので安心です。なかなか街中で食べることができない国の料理が気軽に楽しめるのはいいですよね。
 残念ながら今はむやみに外出できない日々が続いていますが、コロナウイルスが落ち着いたら、県立美術館を訪れたついでにエスニック料理を楽しんでみてはどうでしょうか?


3月のエスニック定食
  1. プカ・ピカンテ(ペルーの料理)
    豚肉とジャガイモのビーツ煮込み
  2. セボーヤ・エン・エスカベーチェ(メキシコの料理)
    赤玉ねぎのピクルス
  3. ドマテス・チョルバス(トルコの料理)
    トマトスープ
  4. 雑穀入り桃色ごはん
    スリランカ・ベトナムで食べられる赤米を白米とミックス
  5. あんみつ
    桃色の牛乳寒とあんこ

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