第2回のテーマは「福祉的就労に労働法規の適用を!~障害者権利条約、ILO(国際労働機関)への提訴等をめぐって」
講師は藤井克徳氏(障がい者制度改革推進会議議長代理、日本障害者協議会常務理事、きょうされん常務理事)でした。
以下は私の記憶に残った内容ですので正確性と誤解を含んでいるのでご容赦ください。
「立春」の話題から始まりました。「立」の字が使われていて障害者自立の「自立」にも「立」の字が使われています。「自立」を辞書で引くと「自らの力だけで立つ」とあります。しかし「霧が立つ」とか月始めのことを「月が立つ」ことから「ついたち」と言ったりします。この「立つ」という意味は現れてくるという意味がありますので「自らが立ってくる」と解釈すれば間違っていないです。
障害者の就労に関しては、厚生労働省は労働基本法には「労働者は雇用者と交わした労働契約を守る義務を負う」とあって障害者は義務を果たせないから労働者としての権利は保障されないという主張です。この考え方は先進国として50年の遅れがあります。
厚生労働省の主張による福祉的就労への労働法規の不適用は雇用者の論理であって労働者の権利を侵害であるとしてILOに提訴したとの事です。これは第1回の講座や宝塚でのシリーズセッション「ソーシャルファームが拓く人権の世紀」でも明らかにされましたが先進国では全ての人はどんな重度の障害者であっても労働者としての権利が保障されている、保障されるべき存在であるという事です。
厚生労働省は障害者の福祉的就労に対する労働法規の適用に対して財政問題をあげてかたくなに否定しています。その理由が今回の講座で良く解りました。
スポーツ選手や芸能人など最低賃金の保障や労災保険や失業保険も適用されていません。
その壁を障害者の就労が突破した場合の影響が大きい事を厚生労働省が恐れているという事です。厚生労働省は障害者の福祉的就労への労働法規の適用が不公平感をもたらすとも主張していますが、所得補償は現在の日本にも既に存在するので不公平は理由にならないことを説明されました。
感想
障害者の福祉的就労への労働法規の適用の実践に関わっていきたいです。
参照
箕面市障害者問題連続講座第1回に参加しました2010.12.10
以下は箕面市のウェブサイトより抜粋
内容
箕面市が提案した「社会的雇用による自立支援」~国制度化を実現するための道筋を、関連領域から探る
第1回:平成22年12月10日(金曜日)18時30分から20時30分
「何故、日本で保護雇用が制度化されてこなかったのか?~EU諸国における所得保障とリンクした取り取組みから学ぶ」
第2回:平成23年2月4日(金曜日)18時30分から20時30分
「福祉的就労に労働法規の適用を!~障害者権利条約、ILO(国際労働機関)への提訴等をめぐって」
第3回:平成23年3月4日(金曜日)18時30分から20時30分
「障がい者制度の抜本的な変革を!~障がい者総合福祉法(仮称)、差別禁止法、障害者基本法改正への展望」
「働(はたら)く」ことを軸(じく)に障害者(しょうがいしゃ)のノーマライゼーションを目指(めざ)す
財団法人 箕面市障害者事業団