「縦横夢人」2020年夏号(No.29)2020年8月11日発行
リレー連載 Road to Paralympic
第12回 山陽電車 中八木駅と林崎松江海岸駅を探る
PDF Road to Paralympic
第12回 山陽電車 中八木駅と林崎松江海岸駅を探る
米田 進一
車椅子ユーザーの移動手段として公共交通機関は欠かせません。頸損になってバリアフリーという目線から、ふと不便だなと感じた駅があります。私の視点からですが、福祉施設や病院などを利用する為に、その駅について気付いた点を書いてみたいと思います。
まず明石医療センターの最寄り駅でもある山陽電車の中八木駅です。
同駅は無人駅です。相対式で下り線にしか改札口がなく、上り線出口は施錠されています。
上り線側へは、階段のある地下道を通らないと行けない為、車椅子では利用出来ません。
駅から医療センターに行くため、先ず、浜国沿いの歩道を通るのですが、ガードレールの幅が75cmで、「私の大きな電動車椅子が通れるかな?」と、とても不安になりました。
線路を渡り、北上する道中には所々に傾斜や段差も見られました。車椅子目線から残念に思った事は、駅案内表示板や点字ブロック、音声ガイド案内器等が、何処にも見当たらなかった事です。土地勘が無く、初めて同駅を利用する方には分かりにくいと思います。近くにある明石城西高校の歩道も、車椅子で渡れるとはいえ狭く、車も多く通る為、少し怖く感じました。
移動時間は踏切に引っかかっても10分位です。医療センター内にはローソンがあり、また、周辺には明石イオンもあるので車椅子でも食事が出来ます。駐車場は医療センターに隣接しています。
現状南口からの道しかありませんが、上り線出口が使えてスロープが出来ると良いですね。
もう一駅は林崎松江海岸駅です。この駅は、近くに明石福祉センターがあります。不便に感じた点は、先に記した中八木駅よりもマシではありますが、下り線から降りると、踏切を渡らないといけないということです。
駅から福祉センターに向かう道中には、中道を通るか浜国沿いの歩道を通るしかありません。
浜国は車の通りが多い為、大型トラックとすれ違う時等とても怖いです。信号が変わったタイミングで通る事をお勧めします。
もう一つの中道は、線路沿いに並行していますが、この道は前から人や自転車が来ると待つしかありません。幅は105cmなので大きい車椅子が一台やっと通れるくらいです。
西側にある線路を渡り、線路沿いの歩道を東に進むと北改札口の前に着きます。つまり、ここまで迂回して、そこから横断歩道を渡って北に進むと遊歩道があり、ここを北上すれば車に気を遣う事無く、安全に向かう事が出来ます。
遊歩道を抜け、信号を渡り、東に進むとすぐに明石福祉センターが左手に見えてきます。
駅から約10分ほどで到着出来ます。部分的に段差もありますが、車が通らない遊歩道を選択すれば、怖い思いもしなくて済みます。
以上が私の感じた事ですが、この件について明石市も、来年から、ユニバーサルデザインのまちづくり実行計画の視野に入れるそうです。
今回の2駅を含めた明石市内各駅にある山陽電車が生まれ変わる姿を、楽しみに見守りたいと思います。