「縦横夢人」2020年夏号(No.29)2020年8月11日発行
連載 新型コロナウイルスと糖尿病⑦
三戸呂 克美
新型コロナウイルスのニュースで、感染に関して特に気を付ける、また注意をしなければならないとして、高齢者や基礎疾患を持っている人、そして糖尿病の人が言われている。そう言われると私にとっても心配になる。でも、大事なのは正しい情報にもとづいて、正しく対処することだ。
糖尿病があるとコロナにかかりやすいとは言えないが、コロナに感染すると重症化するリスクがある。例え感染したとしても重症化しないためには、普段の血糖コントロールが大切であり、良好な血糖コントロールにより重症化リスクを下げられる。
感染症にかかると、糖尿病の人はそうでない人に比べ、死亡や合併症のリスクがずっと高いことが報告されている。しかし、いまだに治療薬がないので事態は深刻だ。(原稿は7月執筆)
糖尿病であって高齢者の場合、血糖コントロールが出来ていないと、感染すれば病状が悪化しやすい。その点、血糖コントロールが上手に出来ている人は重症化するリスクが少なく、また、合併症も少ないと報告されている。
それでは、糖尿病とともに生きる人は何をどのようにすればいいのか。我々はできれば介助者の協力のもと以下のことを実行すればよいと言われている。
・手洗いやアルコールによる消毒を行う
他人(感染者)が触れたものに触ると、ウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ると粘膜から感染する(接触感染)。外出先から帰るとタオルで顔を拭く。
接触感染を避けるために、手洗いや手指消毒用のアルコールによる消毒を徹底して行う。手洗いはたとえ流水だけであっても効果があるので必ず行う。
・混雑した場所を避ける・マスクは必携
飛沫感染を避けるために、咳などの症状を示す人との接触を避ける。人と人との距離をとること(社会的距離)も重要。対面での社会的距離はおよそ2メートルとされている。
不要不急の集会や会合、公共交通機関などの感染リスクの高い場所には行かない。
・健康管理を心がける
屋内では換気を十分に行う。免疫を高めるために、十分な睡眠をとることが重要である。
■糖尿病の人は、普段から血糖コントロールを良好に保つ必要がある。ウイルス感染拡大で自粛中の今、コロナ太りを避けるためにも血糖コントロールは重要となる。血糖値を適切な範囲に維持することは、合併症を防ぐためだけでなく、感染症に対応するためにも必要である。
【糖尿病の人は血糖管理が良好であれば、感染しても重症化を防げる】
(ネットニュースから引用)