連載企画 恋旅 NO.8 「縦横夢人」2020年秋号(No.30)

「縦横夢人」2020年秋号(No.30)2020年11月16日発行

連載企画
恋旅 NO.8
LAST JOURNEY

PDF 連載企画 恋旅 NO.8

竹村 美紀子

 私たちはいつも、誰かを愛したり、誰かに愛されたりして、だから生きていけるのだと思います。大切な家族、恋人、友達、ペット達...いつも変わらず愛して愛されて、それが生きる糧ともなります。愛し合える人がいると人生ももっと豊かになりますよね。
 いや自分は誰からも愛されてなんかない、孤独で、もし突然この世から消えてしまっても、心から悲しむ人なんてきっといないと感じている人もいるかも知れません。でも、私達が生きてきた年月の中で、本当に誰からも一度も愛されたことがない人なんてきっといないと思います。あなたの愛する誰かは、この世界にたった一人の存在で、そしてあなたもたった一人の存在です。  
 生産性のない人間、職についていないとか、誰かの役に立てていないとか、それだと生きている価値がないのでしょうか?
私には、会うことがなくてもこの世界のどこかで生きてさえいてくれていたら、その事実が一番重要だと心から思える人たちがいます。利益云々関係ないです。ただあなたが生きていてくれることが大事なのです。
 でも私も、時に自分のことを生産性もなく空っぽで、誰に何を与えられているわけでもない生きる価値のない人間だと思い込み、とても落ち込み生きる気力を失ってしまうこともあります。だから常に何かをして認めてもらわなければと焦るのです。でも、私が、あなたが、何をしていようと(犯罪とかではないです!)していまいと、繰り返される様々な苦難とその都度向き合いながら今を生きているのであれば、それでいいのだと認めてほしいし思いたいです。なぜなら私たちはたった一人の大切な存在なのですから。

 完璧な人間なんて存在しません。人間は皆不完全で、傷つけ合い、失敗を繰り返して学び成長していくのだから、自分や他人を責め続ける必要はないです。悔しい思いや悲しい思いを一人で溜め込み抱え込んでいることもないです。泣きたければいっぱい泣けばいいと思うし、聞いてくれる人がいるなら吐き出せばいいと思います。私もここにいます!!!
 何か辛い出来事にぶつかった時、自分や相手や出来事などを責めたりする感情や、それに対する執着から開放できた方が楽ですよね。さっさと嫌な感情は消して、前に進みたいけれど、それがなかなか出来ない時もあります。必死に気持ちを切り替えようと努力をしていると、段々それに疲れてしまうこともあります。でもきっと時間が癒してくれます。
 失敗や挫折は、乗り越えてもまた形を変えてやってきます。だけど、これまでだって乗り越えられてきたのだからきっと私たちは大丈夫です。

 今回は、今私が伝えたいことを書いたので、本来の“恋旅”からは随分内容が脱線してしまいました。私はこれまで何度も恋愛と失敗を繰り返し、そして結婚と離婚も経験しました。それなのに、大切な人と関わっていく上で最も根本的で最も大切なことにずっと気が付かずにいました。今頃になって、やっとわかりました。それが何かは、またこっそりお話ししますね。誰かを愛することで私たちはたくさんの哀しみや喜びを経験し、学び、感性を磨き高めていくことができると思います。私はもっと愛情深い人になりたいです。

 私の“恋旅”はこれにて一旦終了です!読んでくださっていた方、本当にありがとうございました。ふらっと始めたら思いがけず楽しく、夢中になってしまった旅。勇気と気力で挑む本気の旅。死ぬほど苦しんだ末に断念せざるを得なかった無念の旅。波乱万丈だけど人生に彩りを与えてもくれます。目的地で最高の幸せに出逢えたら素敵ですよね!また皆さんの恋旅のお話、私にも聞かせてくださいね。ではまたいつか。

おわり


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