「縦横夢人」2021年春号(No.32)2021年5月10日発行
特集
ベテラン(慢性期)頸損者の健康
-受傷年数の経過で起きた変化やその対処法-
-受傷年数の経過で起きた変化やその対処法-
私の健康法
竹村 美紀子
こんにちは!
15歳の時に事故で頸髄を損傷してから30年が経ちました。その頃は、何となく『医学も発展していっているし、まあ20歳、いや25歳くらいになるころには良い治療法も出てきているのだろうかなあ。そうじゃなければ、まあ40歳くらいまで生きれば十分か!』くらいなことを考えていました。それが、なんとあっという間の30年!なんだかんだで今のところ元気に生きています。この先5年後10年後、もっと先も、こんな風に言ってられたら良いんだけどな、と思っているところです。
健康についてでしたね。あらためて振り返ってみると、正直、あまり誇れるような生活はしてきていないようにも思います。
受傷後、1年くらいは食欲もなく、食べ物にそんなに興味もなく、結構痩せていったんですね。それで、痩せてラッキーって思っていたんです。でもその後、体の状態も落ち着いてリハビリなんかも始まってきたら、お菓子にアイスクリーム、外泊したらケーキに焼き肉食べ放題みたいなことを繰り返していました。
車椅子生活になって随分痩せたし、ちょっとくらい食べ過ぎていても全然OKって、なぜかそんな風に思い込んでいました。そしたら、見事にぶくぶく太り始めて。当時の担当の訓練指導員みたいな人に「おい、みき、おまえ太りすぎやぞ!」と。さらに初めてできた彼氏に「みきちゃんってぽちゃぽちゃやね」と言われ、今だったら、「そやろー。せやねんー。あはははー」でおしまい、なんですけど、当時はガーン。。。で。そこからダイエット開始!となったんですが、エスカレートし過ぎて拒食症になり、結局体重も30キロをきり、メンタルもやられました。生理も止まり、そこから5、6年くらいそんな状態でした。今思うと、それが原因だと思うのですが、とにかくしょっちゅう、すぐに褥瘡できていましたね。あとは良く体調崩して倒れていましたし、腸閉塞にもよくなっていました。ちゃんと食べるって大事ですね!
今はそんな食事制限のようなことは全くしていなくて、どちらかと言うと、お腹とかほんとやばいです(笑)
私の生活は普段家にいるときは97パーセントくらい一人です。基本的に頼れるのは自分だけ、自分が自分の介護者で365日無休だと思っています。だから体調を崩すわけにはいかないと常に思って生活をしています。そんなわけで健康には気を使わないといけないとも思っていますが、気を付けているような、気を付けていないような、ずいぶん適当な感じです。
では、私の“取り敢えず、一応、勝手に健康法”お話しします。
まず、運動ですね。出来ること限られはしますが、私の場合だと、腕の力をつけるためのダンベルと胸の筋肉付けたいなと思って買ったゴムの輪っか状のものを、どちらかと言うと使っていますと言うより置いています。2か月に一度くらいの割合で10日ほど毎日頑張ります。その後ピタッと止めます。このスタンスを何年も繰り返しています。ただいま止めてる期間中です(笑)私は今は普段だいたい週に2回くらいお買い物やクリニックなどに一人で出かけます。マンションの長いスロープを下ったり上ったりしないといけないし、結構疲れます。と言うことで、あーよく運動したわーと言うことにカウントします。だいたい毎日夜に一人でお風呂に入ります。ベッド上での衣類の脱着、お風呂までの移動、体を洗う、、、疲れます。と言うことで運動とストレッチ体操完了、と言うことにします。こんな感じです。
次に食事ですね。たまーに外食とかする時にはどんなお店で何を食べたいかな、など考えたりもして楽しみます。でも、普段家で食べるものに関しては基本あまり興味がないんですよね。好きな食べ物はパンとプリンとか。健康とか体重とか全く気にしなくても良いのなら、毎食それでいいです。でもしません。週に一回くらい買い物に行ったらたくさん野菜を買って帰ります。あと、お菓子が大好きなのでお菓子も毎回たくさん買うんですけどね。お菓子を食べたいために野菜もたくさん食べている。そんなところもあります。お肉や魚も出してもらえばとっても美味しくいただくのですが、普段はそんなに興味がなくて、でも褥瘡予防のためにもたんぱく質を摂らないといけないなと思って意識しては足しています。調理も簡単な豆腐や納豆、卵からたんぱく質は摂ることが多いかもしれません。あと、ヨーグルトを食べるときたんぱく質の粉混ぜたりしています。いろんな味のたんぱく質の粉、ありますよね!それと、ネットで時々ナッツ1キロを買って、ちょこちょこつまんでいます。菓子パン、調理パンはやっぱり大好きなので、それを食事にすることもあるのですが、ちょっとだけ罪悪感なくすために基本的にはコンビニとかのものではなく、お店で焼いているベーカリーのものを買います。そのほうがまだ添加物少ないかなと思って。それくらいですかね。とにかく普段の一人ご飯が適当過ぎるので、ビタミン剤とかは飲んでいます。あと、最近周りの頸損者の人たちの骨折をよく聞くのでカルシウム剤も足しました。そうそう、カルシウムと言えば、最近牛乳をカルシウムとビタミンD強化っていうのにかえました。ちょっとは効果あるのかな?
話は変わって、最近足に褥瘡を作ってしまいました。足に褥瘡はしょっちゅう作るのですが、少し赤くなっている程度では気にしないんですね。それ以上酷くても一瞬だけはビビるんですが、そのあとは、まあ自分で治せるわ、そのうち治っていくわと思い始め、自己流で適当に手持ちの軟膏を塗ってみたり、しばらくの間だけ保護テープを貼ってみたり。でもそれを毎回お風呂上りなんかにするのって本当に手間で時間もかかるし、しかもやっと塗れた、貼れた!と思ったら、ちょっと動いたら全部剥がれていたりして、それでそのうちもうやーめた!ってなるのですが、それでもそのうち良くなっていってるんですね。
でも、今回は水面下で悪化していっていたことに気が付きませんでした。ずっと怪しいなとは感じていたのですが見て見ぬふりと言うか、気のせいだと思い込もうとしていたんです。ポジティブシンキングは良いことですが、これは良くなかったですね。病院に行くの面倒だと思って放置してましたが、余計に面倒なことになってしまいました。暫くは毎回お風呂上がりに処置です。ああ本当に面倒くさい。でも頑張るのでみるみる良くなってください。お願いします!
最後にとっても大事なこと。メンタルヘルスですね。私は、メンタルは強いのか弱いのか自分でもよくわかりませんが総合的には強いほうなのかな?だから今もこうやって生きていられるのかなと思っています。私は小さなことですぐにひどく不安になったり落ち込んだりします。でも、気持ちや思考の切り替えは割と早い方なのではないかと思います。これはでも、もともとの性格とかもあるとは思いますが、でも切り替えるための努力はします。映画を見るとか本を読むとか、誰かと話すとか。外に出たり、何か欲しいものを買ったり。自分に甘いところがあるのですが、それって生きやすさってところで言うと割と必要でもありますよ、多少は。あと、自己暗示的なことをずーっとしてたりもしますね。そんなことはどうでもいい、気にするな、、、と。その原因が何かにもよりますが、些細なことなら、早ければ一晩寝たら、そうじゃなくても数日で回復できています。もちろんそんなケースばかりではないですけどね。でも、メンタル落ちてると本当に自分自身がしんどくて仕方ない。顔にも表情にも出てきそうで嫌ですし。あと、精神的なストレスが体調に影響与えて体調不良になったら大変なのは自分ですからね。
もっとメンタル強い、たくましい人になりたいです(笑)
以上、私のあまり役には立たなさそうなユルイ健康思考と生き方でした。