リレー連載「Road to Paralympic」第4回 西明石駅の利便性の問題について

「縦横夢人」2018年春号(No.20)より

リレー連載
「Road to Paralympic」
第4回 西明石駅の利便性の問題について

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米田 進一

 私は生まれ故郷である明石市に40年以上住んでいます。地元で唯一、新幹線が止まるのがJR西明石駅(以下、同駅)で、自宅から一番近い最寄り駅でもあり、幼少期から電車を利用してきました。健常者だった頃は、エレベーターを使用する事がなく、階段を利用していたのですが、頸髄損傷になり車椅子で電車を利用する様になってから不思議に思った事があります。同駅には2つの改札口があり、東改札口側(以下、東改札)にはエレベーターが設置されていない為、新幹線側の西改札口側(以下、西改札)から遠回りをして移動しなければならないので、やはり不便と感じるようになりました。新幹線を利用する方には西改札が便利ですが、車椅子で自走してスムーズに行けたとしても最短でも5分は掛かり、当然ながら雨には当たります。普段は自宅に近い西改札を利用するので、さほど不便はありませんが、スーパー(グルメシティ、マックスバリュー)を利用する場合には、東改札を降りた方が近いのです。なので天候や時間の都合が悪くなければ、あまり気にならないのですが、場合によっては少々不便に思う事もあります。

←西明石駅構内図
  西明石駅│構内図:JRおでかけネット より


 東改札側にはエレベーターはありません。

(下)東改札南側エレベーターは奥行きも狭いため、米田の電動車椅子(長さ138cm、幅65cm、高さ143cm)が入ると、ギリギリ扉が閉まる大きさしかありません。

 
 エレベーターの形は駅の状況により異なりますが、同駅の地上階から入るエレベーターはL字型(左はコンコース側・右側はプラットホーム側)でホームに降りるエレベーターは貫通式となっています。新幹線のホームへ上がるエレベーターも同じく貫通式です。東側のエレベーターは南北の連絡通路として自転車を利用される方もおられる為、北側のエレベーターはL字型になっていますが、南側はひらがなの「く」の字型の変わった形のエレベーターになっています。個人的には貫通式にして貰いたいです。トイレは改札内を出て左側にあり、電動車椅子でも余裕の広さです。

 あと問題点として挙げたいのは、送迎するためのロータリーにある車椅子乗降スペース内で一般常識がないのか、堂々とした態度で携帯をいじりながら回りの状況にも目を向けず、長時間駐停車されている車両も少なくはありません。その時に運転手が乗っていれば顔を睨み付ける様にしています。場合によっては車両が無人の時もあり、ナンバーを控えておくとよいと思います。
幾ら公共の場とはいえ、同駅のロータリーもあまり広くないので、何とかして貰いたいものです..。また急いでいる時に乗降スペースが空いていない場合は、バスロータリーまで移動して乗降する時もあり(左下)、たまにバスからクラクションを鳴らされる事もあるので、外出する度、不快になる事もあります。

 プラットホームの歪みや傾斜も気になるのですが、平らな箇所もありつつ、場所によっては大丈夫?と言いたくなる箇所も点々と見られます。(右)車椅子だけではなく、誰もが安心して利用出来る公共交通機関にして行くには、1人でも多くの方々が声を発していく必要があると思います。

 

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