JR・山陽電鉄「明石駅」周辺 バリアフリー調査報告 「縦横夢人」2019年冬号(No.23)

「縦横夢人」2019年冬号(No.23)2019年4月8日発行

時のまち!海峡のまち!食のまち!
明石(あかし)
JR・山陽電鉄「明石駅」周辺
バリアフリー調査報告


 兵庫県南東部に位置する「明石市」。東経135度日本標準時子午線上にあり、天文科学館がまちのシンボルとなっている明石市ですが、玉子焼(明石焼)でご存じの方も多いのではないでしょうか。我々兵庫頸髄損傷者連絡会のメンバーも、明石市にある公共施設を行事や役員会でよく利用します。
今回の特集は、再開発され利用しやすくなったJR・山陽電鉄「明石駅」周辺をバリアフリー調査してみよう!と企画し、調査メンバーがエリア別に調査した内容を報告します。JR・山陽電鉄「明石駅」エリア、公園エリア、天文台エリア、商業施設エリア、市場エリアといった5エリアを、電動車椅子で駆け巡って調査してきました。明石駅周辺をご利用なさる際にお役に立てれば幸いです。(宮野 秀樹)


PDF 特集「JR明石駅周辺バリアフリー調査」(特集全ページ)


JR・山陽電鉄「明石駅」エリア

    

調査員・島本卓

 
 明石の語源というのが、明石川の西にある赤石(あかいし)や、明るいという意味の「明し」とも言われている。また「源氏物語」や「日本書紀」にも登場する地名でもある。
 みなさんは、明石と聞くとどんなイメージを思い浮かびますか。私が1番に浮かぶのは「海」です。なんといっても、明石沖でとれるマダコが最高に美味しいので、是非、明石に来られるときに食べてみてください。

 今回の調査エリアは「明石駅周辺」です。
 私は、JR「明石駅」と山陽電鉄「山陽明石駅」のバリアフリー調査を行いました。最初に、私が使用している電動車いすをベースに調査をしています。(幅70 ㎝×長さ120 ㎝×高さ140 ㎝)

「JR明石駅」改札内 EV
明石駅|構内図:JRおでかけネット
 3.4ホーム側EV①、1.2ホーム側EV① の計2基が設置されています。2基ともに同じタイプのEV。
① 最大定員:11人
② サイズ:間口89㎝・奥行き145㎝
・幅140㎝
③ タイプ:一方型
④ 車椅子ユーザーボタン:あり
⑤ 後方確認ミラー:あり
⑥ 利用可能時間:4:00~翌1:00

 私の電動車いすの幅でも、入れる間口です。鞄などを電動車いす後方に引っかけていると、扉を閉める際に挟まることがあります(図1)。


図1 介助者から先に乗ってもらうほうがいい

 改札からEVまでの導線は、案内板があるのでわかりました。ホームからEVで降りてからの導線が、点字ブロックでしか導線がありませんでした。床面にはEVマークはあるが、視界に入る位置には案内板はありません(図2)。


図2 今もたまに迷う時がある

「JR明石駅」改札内 多目的トイレ
 各EV前に設置されています。JR明石駅で、初めて見て驚いたオストメイトが設置されていました(図3、図4)
3.4ホーム側
① ドアタイプ:手動
② 入り口サイズ:快速側89㎝
③ 便器アプローチ:左
④ 手すり:横開き
⑤ ピクトグラム:あり 

1.2ホーム側
① ドアタイプ:手動
② 入り口サイズ:新快速側90㎝
③ 便器アプローチ:右
④ 手すり:横開き
⑤ ピクトグラム:あり 
 2つのトイレで共通しているのは、私の電動車いすであれば、トイレ内で旋回が可でした。

図3 新快速側 多目的トイレ
図4 収納式で驚いたオストメイト

 私はJR明石駅の多目的トイレを利用することが多い。スロープの手配を終えて、待っている間に利用する。しかしEVの前にあるため、EV待ちの利用客や下りてくる利用客があるので、いつもタイミングを見計らって利用することにしています。もう一つ悩むことは、一般の方の利用頻度がとても多いといえる多目的トイレだと、私は思っています。

「山陽明石駅」改札内 EV
駅構内図/山陽明石駅/山陽電車
3.4ホーム側EV①、1.2ホーム側EV① の計2機が設置されています。2機ともに同じタイプのEV。
① 最大定員:11人
② サイズ:間口90㎝・奥行き212㎝
・幅95㎝
③ タイプ:貫通型(通り抜け)
④ 車椅子ユーザーボタン:あり
⑤ 後方確認ミラー:あり
⑥ 利用可能時間:9:30~24:30
 山陽明石駅のEVは通り抜けタイプで利用しやすいものが設置されています(図5)。

図5 通り抜けタイプEV

 実際にホームからEVを利用して、改札に向かう時には不便と感じることはありませんでした。今から利用するぞと切符購入をして、ホームに行くときには柱などの死角により、EVの位置がわかりませんでした。案内板には、三宮方面、姫路方面が分かるようになっているだけでした(図6)。

図6 改札内からEVが見えますか

 私は何回も利用しているので、EVまで行くことができていますが、初めての利用だったとしたら迷うと思います。私自身が迷いました(笑)。
 もちろん建物のつくりから、設置位置がここしかなかったと言われると仕方がありません。でも床面、上部に案内があれば、電動車いす使用者だけでなく、高齢者から多くの方が利用しやすくなると思いました。 

「山陽明石駅」西口改札前 EV
 西口改札(2F)を出て、JR明石駅(1F)、スーパー(B1)に利用できるEV。
① 最大定員:11人
② サイズ:間口90㎝・奥行き150㎝・幅140㎝
③ タイプ:貫通型(通り抜け)
④ 車椅子ユーザーボタン:あり
⑤ 後方確認ミラー:あり
⑥ 利用可能時間:9:30~24:30

図7 EVの場所がわりにくい

 ここのEVを利用されるのは、1FからB1に下りられる方が多いです。山陽明石駅は2Fにあるため、EVを利用する際には待たされることも少なくありません。

「山陽明石駅」東口改札前 EV
 まず駅南側に出ます。左に曲がりアスピア方向に進んでいくと、バス停前にEVが設置されています(図8)。
① 最大定員:15人
② サイズ:間口90㎝・奥行き162㎝
・幅160㎝
③ タイプ:貫通型(通り抜け)
④ 車椅子ユーザーボタン:あり
⑤ 後方確認ミラー:あり
⑥ 利用可能時間:6:00~23:00
※EV正面シャッターは、5:10~23:00利用可。
 改札は2Fになりますが、このEVは3Fまで上がることができます。
 ちなみに、3Fに上がればペデストリアンデッキがあり、パピオス2F、アスピア明石の近くまで移動することができます。屋根もついているので、雨天時も安心して利用することができます。

図8 ゆったりと乗れるEV

 東口改札を調査しましたが、私が気になった箇所を報告します。まず改札に行きましたが、駅員さんはおられませんでした。そうすると駅員さんを呼ばないと、乗車対応がしてもらえないと思います。そこで、呼び出しボタンを探しましたが、見当たりませんでした。以前使用していたインターホンも残っていました。現在はこんな感じで駅員さんを呼べるように設置されていました(図9)。

図9 何かに気づきませんか

 私が驚いたのが、図9の真ん中に写っている受話器の高さです。この高さで使えるものなのか。もし呼び出しできなかったら、駅員さんの対応がしてもらえないかも。そもそも、どのように利用されているのかを見てみたいです。
 バリアフリー住宅の基準として、床から100㎝が適切だと言われているのに対して、20㎝、30㎝は確実といっていいほど高いです。
 利用の際には、介助者と一緒に利用することをおススメします。

「山陽明石駅」改札内 トイレ
山陽明石駅では、3.4ホーム側EV横にトイレが1カ所設置されています(図10)。
① ドアタイプ:手動
② 入り口サイズ:快速側89㎝
③ 便器アプローチ:左
④ 手すり:横開き
⑤ ピクトグラム:あり 

図10 私の電動車いすで旋回できます

 このトイレを一目見て、残念と感じてしまったのが1点あります。それは鏡の設置場所です。便器の配置上で、この場所になったんだと思います。私的に後方確認できる鏡があればと、思ってしまいました。
 もう一つ、山陽明石駅のトイレ前にゆるやかな勾配のスロープがあります。ただスロープにするだけでなく、雨天時や清掃時の床濡れに対しての工夫がされています。スロープに、横方向にゴムをつけるだけで、滑る心配が軽減します(図11)。

図11 誰もが使いやすい工夫

 今回の調査を通じて、普段利用している2つの駅の使いやすさ、使いにくいと感じる箇所を知ることができました。使いにくいから改善が必要であるが、「どうあれば使いやすいのか」。また、「使いやすくするための方法」があるのか。これからを考えらながら、バリアフリー調査をするともっと楽しいのかもしれません。調査結果をもって、誰もが使いやすい環境整備に向けて、今後進めていきたいと思います。

おススメ店
 明石にきたら「鶏膳 総本店」でランチはいかでしょうか。食いしん坊な私は、ここの「味」「ボリューム」「リーズナブル」の3拍子のとりこになっています。

 店内はテーブル席が6席ほどあります。テーブルの移動も相談できますので、是非、行ってみてください。

ピオレ明石 東館1F
チキンカツ丼720円 チキンカツ定食700円

公園エリア

天文台エリア明石市立天文科学館

商業施設エリア

市場エリア


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