縦横夢人2011年秋号(No.4)2011年11月1日発行

【巻頭言】災害復旧とボランティア

桜井 龍一郎

 過去の災害と比較しても希にみる東日本大震災の大被害は、被災地各地の日常生活を麻痺させた。行政施設や自治体職員の被災により、住民が的確な行政の支援のないまま復旧に当たらなければならなかった地方自治体も多くあった。
 そんな初期の混乱時に現地に駆けつけ被災者の援助にあたり復旧支援の大きな力となったのがボランティアだった。全国から多くの人が現地へ向かい、炊き出しや散乱した家の中の片付けから避難所運営まで幅広い分野で活動を展開したほか、救援物資の仕分けなど、現地以外での活動に参加した人も多かった。復旧支援にボランティアが大きな役割を果たしたことは間違いない。
 しかし震災から半年以上たった今、ボランティアの数は徐々に減ってきている。現在でも相当数のボランティアが被災者を支えてはいるが、今後さらに減っていくことは想像に難くない。また基本的にボランティアは支援する側の都合が優先され、支援を受ける側はそれに合わす必要があるため、安定した継続的な支援には不向きである。被災者の生活再建に真に必要なのは制度による裏付けのある行政の公的な援助であろう。
 このような側面は障害者介助とよく似ているように思う。障害者の介助制度成立の歴史は、ボランティアの介助者を募って自立生活を始める障害者が現れ、それが広がりやがて制度が整う、という過程をたどった。災害復旧の分野でも、ボランティア元年と呼ばれた阪神淡路大震災から今回の震災を経て、将来は初期の段階から公的制度によって全国から援助が行われる時代が来るのかの知れない、などとふと思った。

もくじ

活動報告「しあわせの村合宿&秋の大バーベキュー大会報告」
活動報告「全国総会明石大会」
活動報告「兵庫・地域交流イベントin西宮報告」 
活動報告「兵庫・地域交流イベントin明石報告」
会員報告「家族旅行in北海道」 【おまけ】
会員報告「脊髄空洞症レポート」


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