「縦横夢人」2020年冬号(No.27)
特集
頸損ロードマップ
病院編
-入院から退院するまでに準備するべきこと-
PDF 頸損ロードマップ病院編
『頸髄損傷』この障害を負ったとき、誰もが「これからどうなるんだろう…」と不安を覚えたと思います。身体機能を失ったショックで絶望的になり、人生が一変したことで深い悲しみに陥り、ただただなすすべもなく日々が過ぎていく。知識や経験を得た今では、過ぎ去った一時の苦労でしかありません。しかし、振り返ってみると「あの時、もっとこの先どうなるのかを知ることができたら」「もっと情報がほしかった」と誰もが考えるのではないでしょうか。
「どこに向かって進むべきか」「進む先に何が待ち受けているのか」「待ち受けていることに対しどのように対処すべきか」を、頸損人生を歩みだす前に知ることができたら、苦しみや困難を乗り越えるために費やした時間を減らすことができ、QOLを向上させる時間に充てることができるのではないでしょうか。受傷してから現在に至るまでの『ロードマップ』という“ある目標点に達するまでの行程表”があれば、豊かな人生を創り出すための時間を増やすことができるかもしれません。
兵庫頸髄損傷者連絡会は『頸損ロードマップ』作成に着手します。今回の特集は、役員や事務局メンバーが経験したことに基づき、「病院編」として入院から退院するまでに準備するべきことを書いてもらいました。病院から在宅に戻るにあたり、どんなことを覚えれば、どんなものがあれば、どんな準備をしておけばよかったのか、それぞれ書き記してくれています。あくまでも個人の経験に基づく考えであり、決してこれが正解ではありません。そのあたりをご理解いただき一読ください。豊かな人生を歩みだす一助になれば幸いです。
(宮野 秀樹)