「縦横夢人」2019年春号(No.24)2019年5月13日発行


PDF 「縦横夢人」2019年春号(No.24)2019年5月13日発行(全ページ)


巻頭言
平成を振り返る

 今から31年前、1989年1月に昭和天皇が崩御され、「平成」が誕生しました。24歳の時、1995年(平成7年)の1月に阪神淡路大震災を体験し、この世の終わりの様な地獄絵図ともいえる光景に現実を受け入れる事が出来ませんでした。私はトラックドライバーの仕事をしており、地震直後は救援物資輸送をしていました。当時の事は今でも鮮明に記憶しています。
 ところが平成17年5月に交通事故に遭いました。頸髄損傷になり、人生が180度変わった瞬間でした。気管切開による人工呼吸器を装着している為、声を出せなかった事がとても辛かったです。約11ヶ月の入院生活を経て、ようやく退院出来ました。
 在宅生活になり、当面の間は外出する事が出来ず、何もしない日々が続きましたが、一年が過ぎた頃、主治医の紹介で頸損連絡会の存在を知り、生活スタイルを変える事が出来るのだと知りました。そして数ヶ月後、地元でイベントに出席し、連絡会のメンバーとしてデビューしました。今では外泊や遠方へ出かけることも増え、社会参加する行動範囲も広がっていきました。飛行機旅行を楽しむ事も増え、頸損になっても充実した活動を行えていると実感しています。
 世間では、平成10年の冬期長野オリンピックに於ける男子スキージャンプの金メダルや、イチローが大リーグの年間最多安打記録を84年ぶりに更新した事をよく覚えています。近年では、京都大学の山中伸弥教授が「iPS細胞」の作成でノーベル医学・生理学賞受賞、といった吉報もありました。
 しかし、一方では災害が多い時代でもありました。中越地震、東日本大震災、熊本大地震、大阪北部地震、北海道地震といった大きな地震や、台風や大雨による土砂災害がありました。これらの災害により、新たな教訓を得たと思います。
 この記事を拝読される頃には「令和」の時代となっています。新しい未来に向け良い時代になることを祈りつつ、「平成」で学んだ事を活かせる様、皆様も頑張って行きましょう。

米田 進一


もくじ

※「Road to Paralympic」は休載します


カテゴリー: 機関誌「縦横夢人」 パーマリンク